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興梠の2発で鹿島が首位をキープ!!

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[5.16 J1第12節 柏1-2鹿島 柏]

 J1第12節が16日各地で行われ、日立柏サッカー場ではリーグ17位の柏レイソルが首位の鹿島アントラーズと対戦。鹿島は序盤からFW興梠慎三が2得点を決め後半にFW大津祐樹に1点返されるも、堅い守備でこれを守り切り2-1で勝利。盤石の強さで首位をキープした。

 FWフランサ、ポポなど主力選手6人を怪我で欠いた柏は、今季3得点と好調のFW北嶋秀朗を最前線に置く4-5-1。一方、MF野沢拓也が出場停止、MFダニーロとDF伊野波雅彦が負傷中の鹿島はFWマルキーニョス、興梠をトップに置いた4-4-2の布陣でゲームに臨んだ。(スタメン、布陣はコチラ)。

 リーグ最多22失点中の柏は、興梠にいきなり2点を奪われた。前半8分、PA正面からMF小笠原満男が直接シュートを狙うと、そこに飛び込んだ興梠が頭で押し込む。するとその3分後、左サイドのスローインからPA左でDFを背にキープすると、次の瞬間身体を右に反転させて左足でフィニッシュ。ボールは右ポストに当たりゴールネットを揺らした。鹿島は興梠の活躍で早くも2点をリードした。

 いきなり出鼻をくじかれた柏は素早い鹿島のプレッシャーを受け中盤でのパスミスも多く、手厚い攻撃に転じることができない。しかし15分を過ぎたあたりからボランチの山根巌、左MFの菅沼実、トップ下の澤昌克らが落ち着いた組み立てを見せ、徐々に敵陣に攻め入った。20分には菅沼のFKのはね返りを山根がフィニッシュ。直後には右CKからDF藏川洋平が上手くDFの前に身体を入れヘディングシュート。しかしこの好機はGK曽ヶ端準に阻まれた。

 鹿島は劣勢気味に試合を進めるも相手の球を奪うと、一気に攻撃を加速。王者の迫力たっぷりに敵陣に迫った。小笠原や右MF本山雅志、左MF増田誓志らがシンプルに前線に叩き、スピードに乗ったマルキーニョスや興梠がいつものようにゴール前をかき回した。しかし柏の4バックも必死の守備を見せ、それ以上の追加点は許さなかった。

 後半に入ると、柏は澤にかえFW大津祐樹を投入。同時にそれまでの4-5-1を4-4-2に変更。北嶋と菅沼を2トップにし、左MFに大津、右に栗澤、ボランチには前半同様、山根と鎌田次郎を置いた。そして、この采配がゲームを動かした。後半5分、入りたての大津が左サイドに送ると菅沼がクロス。大津は菅沼に出したあとPAに走り込み、そのクロスに右足で見事に合わせゴール右隅に決めた。1点を返すと、同13分には左サイドのFKからDF石川直樹が頭で折り返し鎌田次郎がフィニッシュ。ゴールネットを揺らしたがこれは惜しくもオフサイドの判定となった。

 柏に勢いつかせてしまった鹿島は同19分、本山にかえて今季初出場となるMF中田浩二を投入。柏は栗澤が負傷し、MF永井俊太と交代した。柏は連敗を脱すべく追加点を狙いに行く。菅沼、北嶋、大津を3トップ気味に置き、この3人の連動から攻撃を仕掛けた。すると同33分、この攻撃に堪らず小笠原がPA前でファウル。この日2枚目のイエローカードを受け退場処分となった。これを契機に柏は、更にFW李忠成を投入して猛攻をかけた。終了間際には藏川らが果敢にあがりシュートを蹴り込むも、引き気味に試合を進めたリーグ最少7失点の鹿島を崩せず、1-2で試合を終えた。

 柏はホームファンの前で勝ち星は掴めず、浦和レッズ、ガンバ大阪戦に続き今季初の3連敗。一方、鹿島は勝点を3伸ばし、首位をキープ。盤石の戦いぶりで3月の第2節・アルビレックス新潟戦から約3ヵ月負けなしを更新することとなった。

(取材・文 山口雄人)

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