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怒涛の逆転劇!川崎Fが「多摩川クラシコ」制す

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[5.24 J1第13節 F東京 2-3 川崎F 味スタ]

 「第15回多摩川クラシコ」は川崎フロンターレの逆転勝ち―。ナビスコ杯を含めて3試合連続無失点中のFC東京が川崎Fをホームに迎え撃ったライバル対決は、2点をリードされた川崎Fが後半13分からの3連続ゴールで3-2で勝利。W杯アジア最終予選による約1ヵ月間の中断期間前最終戦を白星で飾った。

 9位・FC東京、6位の川崎Fともに4-4-2システム。F東京のGKは権田修一で4バックは右から徳永悠平、ブルーノ・クアドロス、今野泰幸、長友佑都。中盤中央に梶山陽平と米本拓司が入り、右MFが石川直宏、左MFが羽生直剛。2トップはカボレと平山相太が務めた。
 対する川崎FはGKが川島永嗣、4バックが右から森勇介、井川祐輔、菊地光将、伊藤宏樹。 中村憲剛と谷口博之がダブルボランチを務め、右MFが田坂祐介、左MFがレナチーニョ。鄭大世とジュニーニョが2トップに構えた。

 速攻からやや隙のあった相手最終ライン裏へカボレや石川が飛び出していったF東京に対し、川崎Fはジュニーニョとレナチーニョが強さとスピードでマークを振り切手ゴール前へ突進していく。互いに攻勢な時間帯がありながらゴールに結び付けられず迎えた28分、ホームのF東京が試合を動かす。石川の右CKを中央の今野がヘディングシュート。クロスバーを叩いたボールに誰より早く反応したのはその今野だった。鋭く左足を振りぬくとシュートはゴール右隅へと吸い込まれた。
 F東京がリードして後半に突入した「クラシコ」は、ここから俄然“アツさ”を増した。同点を狙う川崎Fは9分、田坂に代えてMFヴィトール・ジュニオールを投入。だがF東京はその直後、当たりの強さを生かしてCBとの競り合いを制したカボレがPAへ侵入する。ラストパスに右サイドから走りこんだ石川が右足ダイレクトで撃ち抜くと、シュートは右ポストをかすめてゴールネットを揺らした。
  
 アウェーでの2点ビハインド。圧倒的に不利となった川崎Fだったが、ここから試合をひっくり返した。13分、PAへ飛び込んだ鄭がブルーノ・クアドロスのファウルを誘いPKを獲得。ジュニーニョが右足で決めたのに加え、一発退場となったブルーノがピッチを去ったことで流れは一気に川崎Fへと傾いた。
 F東京は石川に代えてCB茂庭照幸を送り込んだが20分、川崎Fは敵陣の中央左寄りで得たFKを素早く右サイドへリスタート。パスを受けた谷口が放った右足シュートがゴール右隅に突き刺さり、同点となった。止まらない川崎Fはさらに23分、左サイドをえぐったジュニーニョの折り返しをファーサイドのレナチーニョが右足ボレーで合わせて勝ち越し。怒涛の11分間で3-2と逆転した。

 このままでは終われないF東京は30分に平山に代えてMF中村北斗を投入。カボレや後半開始から出場のFW鈴木達也らがカウンター、セットプレーからゴールへ迫った。だが得点には至らず。大逆転劇を演じた川崎Fがアウェーで歓喜の雄たけびを上げた。

(取材・文 吉田太郎)

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