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[天皇杯]鹿島は4戦無失点と堅守復活の兆し。キーマンは中田

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[10.31 天皇杯3回戦 鹿島3-0福岡 カシマ]
 格が下の相手とはいえ、鹿島アントラーズにとってはリーグ戦につながる勝利となった。3点取れたことが理由ではない。公式戦4試合連続の無失点と、持ち前の堅守が復活しつつあるからだ。
 「リーグ戦があるので次につなげる試合をしたいと思った。0点に抑えられたことが良かった」とDF伊野波雅彦が言えば、日本代表DF岩政大樹も「3点取ってもDFは1点取られたら何を言われるかわからない。終わるまで集中していた。0が続くことは、いいこと。チームも落ち着いて試合に入れる」と無失点に抑えられたことに価値を見出した。
 連敗中は先に失点し、それが攻撃面であせりを生んでミスをする、そしてそこから相手に反撃される-という悪循環を繰り返していたが、10月11日の天皇杯2回戦・アルテ高崎戦から17日の磐田戦、24日の千葉戦、そしてこの日の福岡戦と公式戦4試合連続で完封。元日本代表MF中田浩二は「自信を持ってプレーできるようになった。負けているときは思い切ったプレーができていなかった。横や後ろのパスが多かった。1発狙いで、相手が待っているところに飛び込んだりしていた。今は相手の穴を見つけて崩せるようになった」と分析し、チームが自信を取り戻していることを明かした。
 「みなさん(報道陣)は内容が悪かったから好転していないという風潮でしたけど、ジュビロ戦を0点に抑えられてから、何か変わるなと思っていた」とDF岩政は、0-0で引き分けた17日の磐田戦で、堅守復活の手ごたえをつかんだという。そして、そのキーマンとなっているのが中田浩二だ。
 磐田戦で中田はボランチで先発復帰。中盤の底でバランスを取り、守備の穴を埋めたり、テンポのよいパス回しで攻撃にリズムを作った。岩政が「役割分担がはっきりした。浩二さんはバランスをとってくれるので、後ろとしてはやりやすい。(攻め込まれたとき)僕たちの前に、誰もいないという状況がなくなった。浩二さんはリズムよくボールを回せる。ショートパスを織り交ぜてテンポがいい。テンポが悪いとボールの取られ方が悪くなるが、それがない」といえば、日本代表DF内田篤人も「さすが30歳。ボールを引き出せるし、もてる。ゲームをうまくもっていってくれる」と“中田効果”を口にした。
 「イージーミスがあったり、修正しなくてはいけないところはある。でも全体としては良かったかな。連動性とか、選手同士の距離もつかめてきた。残りの(リーグ戦)4試合につながっていくと思う」と中田。2度のW杯、スイスリーグなど経験豊富なボランチが逆転優勝へ導く。
(取材・文 近藤安弘)

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