連載:2010Jの新星たち_4

[12.19 全日本大学選手権1回戦 関西大 4-2 高知大 西が丘]

　主将が決めた意地の一発だった。1-4とリードされた後半32分、高知大はDF山部晃(1年)の左クロスをMF香川大樹(3年)がクロスバー直撃のヘディングシュート。そのこぼれ球に反応した背番号4がダイビングヘッドでゴールへと押し込んだ。

　「運よくこぼれてきたので気持ちでいった」とDF中野圭主将(4年=松山工高)は追撃弾を振り返る。チームはこの後猛反撃を繰り広げたが、連続失点する悪癖が出てしまった4失点が響き、初戦敗退。1対1の強さなど自分の武器も発揮した中野だったが、大学生活ラストマッチに。「(今年は)総理大臣杯で準優勝という結果をだした。自分はキャプテンだったが、チームに恵まれたと思う。きょうの前半は自分達のプレーもできたけど・・・。まだまだこのチームでやりたかったのが本音」と残念がった。

　今季、特別指定選手として愛媛FCに登録されていた左SBは来季、モンテディオ山形へ加入することが内定している。「(関東や関西のクラブと比べると)環境面では決してよくないのかもしれないけど、その点は(四国の)高知大と似ていると思った。(練習参加した際に)チームがすごくまじめで好感が持てた」と中野。四国・高知から日本一を争った大学生活同様に、プロでも地方から強い風を吹かせる。「自分はDFなんで読みやポジショニング、1対1の強さを見せ付けたい」と新たなステージでの活躍へ向けて意気込んでいた。

(取材・文　吉田太郎)

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特設:大学選手権09
※この連載は2010年にJクラブへ入団することが内定している選手たちを不定期に紹介していく予定です。