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【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(11)DFイ・ジョンス(鹿島)

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 王者に新たな血が加わった。京都から鹿島アントラーズに完全移籍で加入した韓国代表DFイ・ジョンス(李正秀)。鹿島の3連覇を支えたDF岩政大樹、DF伊野波雅彦という不動のセンターバックに堂々と挑戦状を叩き付けた。

 「個人的な目標は鹿島で常に試合に出続けること。いい準備をして、今までやってきたことを出せば、必ず試合に出られると思っている」

 韓国代表の海外遠征を終え、来日は28日朝。そのまま鹿島のクラブハウスに直行し、新体制発表会見に臨んだ。表情には疲労の色も見えたが、6月には韓国代表として南アフリカW杯も控える大事なシーズンを前に強い決意をにじませていた。

 昨夏のJOMO杯でJ-ALLSTARSの一員としてオズワルド・オリヴェイラ監督の下でプレーした経験も新たなチャレンジを後押しした。「なぜ、この試合に勝たなければいけないのか。それを明確に話してもらい、モチベーションも高まった。指示通りにやれば必ず勝てるという確信を持って試合に臨むことのできる監督」。指導を仰いだのは短期間だったが、早くも名将に心酔している様子。この監督の下でプレーすれば、自分自身もさらに成長できる。そんな思いで移籍に踏み切った。

 京都では昨季32試合に出場し、5得点を記録。1月18日の国際親善試合・フィンランド戦(2-0)でもゴールを決めた。プロ入り後もFWとしてプレー。U-21韓国代表として出場した01年の東アジア大会でもFW登録という異色の経歴の持ち主でもある。

 「攻撃が良ければずっとFWだったと思うし、物足りないからDFになったんだと思う」と本人は笑ったが、セットプレーでもその得点力は大きな武器になるはず。京都ではセンターバック以外にも左サイドバックでプレーしており、「4バックならどこでもプレーできる。チームに貢献できる働きをしたい」とユーティリティーさもアピールした。

 ACLグループリーグでは全北現代(韓国)と同じF組。全北現代には韓国代表でチームメイトのFWイ・ドングッもおり、「代表でも2人で話していたけど、全北もいいチームで、優勝を狙っている。簡単には勝たせてくれないチーム」と警戒した。

 クラブの悲願であるACL制覇へ、国際経験も豊富な大型DFが切り札となるか。「アジアで良い結果を残せるように頑張りたい。鹿島の強さをアジアに見せつけたい」と意気込んでいた。

<写真>京都から鹿島に加入したDFイ・ジョンス

(取材・文 西山紘平)

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※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

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