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【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(18)FW播戸竜二(C大阪)

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 もう一度、輝いていたあのころの自分へ。そして何より、まだまだ“あいつら”には負けられない-。G大阪からセレッソ大阪に移籍を決意したFW播戸竜二。復活を期した一大決心だった。
 「ライバルチームから来ましたが、セレッソのために1つでも多くのゴールを取って勝利に貢献できるよう頑張りたい」
 5日、4季ぶりのJ1に臨むC大阪は大阪市内で新体制会見を行った。播戸はFWらしく、ゴールへのこだわりを口にした。
 98年に練習生として加入したG大阪からC大阪への移籍。これまで札幌や神戸に移籍したが、今回はこれまで以上に期する思いがある。06年に神戸から復帰し、最初の年にリーグ戦30試合出場16ゴールを挙げたが、以降は右肩下がり。常に優勝を狙う強豪に成長したG大阪は、毎年のように強力な外国人ストライカーが加入。熾烈なポジション繰り広げられた。
 徐々に出場機会が減り、08年は15試合1得点、昨年は21試合2得点だった。チームではFWの4番手の扱い。愛するG大阪のために残るか、必要としてくれるクラブで再出発するか、悩みに悩んだ末に“挑戦”することを決断した。
 そこには同世代たちの頑張りも刺激になった。播戸はG大阪でもチームメートだった遠藤保仁加地亮小野伸二小笠原満男中田浩二高原直泰らとともに99年のナイジェリア・ワールドユース(現U-20W杯)の準優勝メンバーだった。いわゆる1979年生まれの『黄金世代』だ。
 ライバルでもあり、よき仲間たちは遠藤が日本代表の中軸を担い、小笠原、中田らがクラブでその存在感を再び示し始めるなど、まだまだサッカー界をけん引している。そんな姿を見て、自身のブログにも書き込んでいるが、「まだまだ若い奴らには負けへんし、同世代にも負けへんで!」と気持ちを高ぶらせている。
 C大阪を選んだ理由は、慣れ親しんだ関西ということだけではない。「一番最初に欲しいと言ってくれた。そういう思いを持ってくれるチームでやりたかった」。男気を大事にする“サムライ”らしい判断だった。
 「ガンバではリーグ優勝だけできなかった」と漏らしており、C大阪での目標はリーグ優勝に貢献することだ。J1に復帰したばかりのチームにあって、決して簡単なことではないが、自身が第一線でプレーするうちに、必ず導くという強い意気込みでいる。
 そして、まだあきらめていない夢がある。W杯だ。オシム監督に代表に呼ばれ、A代表の楽しさを味わった。くしくも代表では、遠藤や小笠原ら『黄金世代』が再び脚光を浴びており、「自分も」という思いがある。南アフリカW杯に向けた代表のメンバーは、かなり固定されているが、果たして、巻き返しはどこまでできるのか。2010年、播戸の“挑戦”に注目したい。
※今連載はこれで終了です。ゲキサカは選手たちの挑戦を応援します。ご愛読、ありがとうございました。

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※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

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