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緊急出場の岩政は長所発揮も連携面で不安を露呈。「試合勘がない」

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[2.14 東アジア選手権 日本1-3韓国 国立]
 複雑な思いだった。手ごたえと課題の両方を露呈した。DF岩政大樹は闘莉王の一発退場により後半開始から出場したが、1失点・・・。待望の出場機会を得たが、ほろ苦い代表2試合目となった。
 「すべてが突然で、突然のために入ったけど、思ったより、いい準備ができた状態で入れたと思う。とは言ってもいろんな面で、難しい試合だったと思いますね。3失点目はDFラインを破られた? 選手何人かと話しましたが、いくつもやられた理由はあると思いますね。2列目から飛び出してきた相手についていけなかったのもあるし、オフサイドだと思って(CB2人が)止まったら、佑都(左SBの長友)が残っていた。ある程度攻めに行っている時、2列目からの飛び出しに全部ついて行くとラインが下がってしまう。そこをどうしていくか、コミュニケーションが大事になる。試合勘が足りないところはあった」
 緊急出場にしては、まずまずのプレーを披露した。コンビを組んだDF中澤佑二も「岩政は人に強い。1対1に強いし、いいプレーをしたと思う」と称えた。だが、岩政自身も感じている通り、中澤も「3人、4人と連携してというのはまだまだ」と、両SBやボランチなど、複数が連携した守備には課題があると指摘した。たしかに、後半開始直後にバー直撃のシュートを打たれたり、何度か裏にパスを出された。組織的守備で防げた面はあるだろう。
 とはいえ岩政を責めることはできない。そもそも、中澤とのCBコンビは初めてだった。岩政は昨年10月のスコットランド戦で代表デビューを果たしたが、そのときCBのコンビを組んだのは阿部勇樹。練習ですら、ほとんどレギュラー組に入ってプレーしていない。ぶっつけ本番といっていい。「正直、(レギュラーとやるのは)初めて。そういう面で、僕の理解度が低い部分はある」と振り返った。
 「ぼくの力の問題があるかもしれない。まだまだこのチームでやることが整理しきれていないというのはある。それができれば、このチームでもやっていけると思う。練習で精一杯、やっているつもりでしたけど」
 真面目な岩政は反省を口にした。だがそもそも、控え選手に出場機会を与えなかった岡田武史監督のチーム作りに問題がある。CBの控えは他に阿部や今野泰幸もいるが、いずれも出場数は少ない。中澤や闘莉王の不在時はどうするのか-。いくら能力が高い選手がいても、練習だけでは世界と渡り合えるDFラインは作れないことが証明された。
<写真>日本代表DF岩政
(取材・文 近藤安弘)

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