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大迫ファーストタッチ弾で鹿島が昨年の雪辱

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[3.20 J1第3節 大宮0-1鹿島 NACK]

まさに電光石火の一撃だった。0-0とこう着していた83分、鹿島のオリヴェイラ監督は興梠慎三に替えて2年目の大迫勇也を投入。決勝点は強運の19歳がピッチ入ってから、わずか20秒足らずで生まれた。

マルキーニョスの右クロスに合わせてニアへ飛び込み、右足でゴール。チケット完売で真っ赤に膨れ上がったアウェーゴール裏のサポーターたちが、眼下で生まれた劇的ゴールを大声量の「大迫コール」で称える。

「角度のないところだったが、触れば入ると思った。多くを考えることなく、ゴールを決めることだけ考えていた。ファーストタッチがゴールになったことは、初めて。チームが勝つことだけ考えていたので良かった」

大迫が淡々と振り返るように、この日の鹿島は、4-5-1布陣の大宮に中盤に数的優位を作られたことでボールポゼッションがままならず、決して楽な試合運びではなかった。

互いにロングボールを多用したことでリズムを作れないうえに、大迫の投入直前には、マルキーニョスがゴール前での決定的チャンスでシュートをバーに当てるなどして、2度も好機を逸していた。
だが、昨年8月に敗れたことを思い出すような、イヤなムードも漂い始めていた終盤。指揮官の交代策が見事に的中。ワンプレーで貫録を見せつけた。

「ああやって勝たれると、やっぱり王者だ、ということになる」と大宮のアンヨンハ。鹿島が相手に精神的ダメージを与えつつ、抜け目なく勝点3を手に入れた。
(取材・文・矢内由美子)

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