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W杯メンバー23人決定!ポジション別分析(FW編)

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▽FW(5人)
玉田圭司(名古屋)68/16
大久保嘉人(神戸)46/5
矢野貴章(新潟)17/2
岡崎慎司(清水)25/16
森本貴幸(カターニア)3/1
※数字は国際Aマッチ出場数/得点数

[主な落選組]
興梠慎三(鹿島)
佐藤寿人(広島)
前田遼一(磐田)
平山相太(F東京)
田中達也(浦和)
渡邉千真(横浜FM)


 FWは5人。候補は多数いたが、最終的にはこれまでの実績を重視する結果となった。エース候補の岡崎、サイドでもプレー可能な玉田と大久保、スーバーサプ候補の森本、そして高さと運動量のある矢野。バランスの取れた選考とは言えるものの、人選は賛否両論を呼びそうだ。

 昨年のJリーグ得点王である前田と昨季の新人王である渡邉は今季もすでに6得点を挙げ、得点ランキング2位タイ(日本人ではトップタイ)に付けている。佐藤、興梠、田中達もJリーグでは好調を維持しており、代表入りを待望する声もあったが、岡田監督には届かなかった。

 高さという武器を考えた場合、平山には十分に可能性があったが、2月の東アジア選手権などで決定力を欠き、アピールに失敗。特に、前線からのチェイシングなど献身的なプレーができるかどうかで、指揮官の評価を下げた。

 岡田監督は矢野について「彼の豊富な運動量、フィジカルの強さに期待している。例えば同点のときに彼を入れることで、セットプレーの守備や前線での追い回し、カウンターアタックからの飛び出しなどが生きる」と指摘。今季いまだ無得点の矢野だが、本来ならFWに最も必要であるはずの得点力とは別の部分を評価しての選出となった。

 対照的に、森本はこれまで代表で3試合しか出場経験がなく、チームコンセプトの理解度という点では物足りなさもあったが、「彼の特徴はフィジカルの強さ、ゴール前の強引さ。ゴールに向かう姿勢、ゴールを取ることに期待している。彼のランニングはゴールに向かって走る量が多い。うちのチームにとってはとてもインパクトがあること」と、個の部分に期待して招集に踏み切った。

 今季10試合で5得点を挙げている岡崎を除けば、玉田は7試合2得点、大久保は9試合2得点、矢野は11試合無得点、森本はセリエAで今年に入って12試合2得点。決して得点数が多いわけではなく、このメンバーでどうやってW杯で点を取っていくのかという不安は拭えない。

 指揮官はMF本田圭佑(CSKAモスクワ)について「彼にはものすごく大きな期待をしている。彼が成長したことで、このチームにとって得点という可能性が大きくなった」と話し、本田への依存度を高める一方、「我々の武器であるセットプレーは大事にしたいし、あとは早い攻撃ができないと、守られたときにはカメルーン、オランダ、デンマークの守備ブロックを崩すのは難しい。高い位置で取ってからの早い攻撃を念頭に置いている」と説明。W杯が終わってから、「決定力不足が…」と毎度お馴染みの嘆きが聞かれないことを祈りたい。

(取材・文 西山紘平)

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