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PK失敗も…玉田がW杯の悔しさぶつける2発

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[7.24 J1第14節 名古屋3-3清水 瑞穂陸]

 2位清水エスパルスと3位名古屋グランパスの上位対決は、名古屋が常にリードする展開だったが、3度にわたり清水が追いつき、3-3の痛み分けに終わった。

 気温33度の猛暑の中、名古屋にとって中断明け初となるホームゲームはチケットも完売する超満員。名古屋のFW玉田圭司、DF田中マルクス闘莉王、GK楢崎正剛、そして清水のFW岡崎慎司と、南アフリカW杯に出場した日本代表選手が4人もそろっているとあって、多くのサポーターが駆けつけた。

 まずは玉田が観客の期待に応えてみせた。前半9分、右サイドを突破したFWケネディがPA手前中央のMF金崎夢生へパス。それに合わせて玉田がPA内へ走り込み、金崎からのラストパスをシュート。オフサイドかと思い、反応の遅れた清水守備陣の裏を突く形で、先制点を挙げた。

 さらに1-1の前半45分、再び玉田が勝ち越しゴールを奪う。左サイドを突破したMFマギヌンからパスを受け、PA外から左足で決めた。

 2-1で折り返した後半15分にはPKを獲得。清水を突き放す絶好のチャンスだったが、キックは大きく上に外してしまい、ハットトリックを逃す。すると、同23分に日本代表の盟友・岡崎に同点ゴールを決められた。

 後半31分には金崎がみたび勝ち越し点を決めたが、3分後にDFボスナーに頭で決められ、試合終了。3度のリードを守れず、悔しい引き分けに終わったが、ストイコビッチ監督は試合後のテレビインタビューで「清水のような良いチーム相手に3点取れて、いいゲームができた」と前向きに話していた。

 5戦連発中だったケネディは不発に終わり、クラブの連続得点記録更新はならなかったが、玉田の復調は心強い。南アフリカW杯はオランダ戦とパラグアイ戦の2試合に途中出場しただけ。出場時間はわずか29分間に終わり、帰国会見では「悔しいです。それしかないでしょう」と、日本中が大フィーバーに沸く中で悔しさをにじませていた。W杯後初先発となった試合で2得点。鹿島追撃へ、玉田がチームを引っ張っていく。

(文 片岡涼)

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