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矢野が304日ぶりゴール、「長かったけどだいぶ楽になった」

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[7.27 J1第15節 鹿島2-2新潟 カシマ]

 アルビレックス新潟のFW矢野貴章が304日ぶりとなるリーグ戦ゴールを決めた。前半ロスタイム、MF中田浩二のパスミスを奪うと、そのままドリブルで中央を持ち上がり、右足アウトサイドでミドルシュート。これがDFに当たってコースが変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 「もう少しインステップに当てるつもりだったけど、ボールを奪った時点でシュートを打とうというイメージはあった」。天皇杯では昨年12月12日の清水戦でも点を決めているが、リーグ戦では昨年9月26日の広島戦以来となる感触。試合後は自然と安堵の笑みが漏れた。

 「長かったですね。もっと簡単な場面もたくさんあったと思いますけど。点を取ってないときと比べたら、だいぶ楽になったと思う」

 今季15戦目で初ゴール。無得点のまま南アフリカW杯メンバーに選ばれ、疑問の声を投げかける人もいた。長身を生かしたポストプレーや献身的な守備とハードワーク。、ゴールだけがFWの役割ではないとはいえ、もちろん無得点という結果に納得できるわけがなかった。「試合に出て点を取ることが自分の仕事という思いは毎試合あった」と言う。「なかなか点取れなくて苦しかったけど、こうやって入って非常にうれしい」と、肩の荷が下りたようにすっきりとした表情を浮かべた。

 1-2と逆転されたあとの後半35分にはMFマルシオ・リシャルデスが浮かしたボールを足を伸ばして落とし、MF三門雄大の同点ゴールをアシストした。「逆転されてもだれもあきらめず、得点を狙いにいった結果。ここ最近の戦い方を見ていても、自信を持ったプレーをしている」

 これで9試合連続負けなし(5勝4分)。開幕から8試合勝利がなく、4月までは最下位に低迷していたチームが暫定7位にまで順位を上げてきた。「でも今日みたいな試合を勝ち切ることが上に行くには大事。チームが勝つことが大事だし、その中で自分も得点を重ねていくことを意識したい」。眠れるエースに生まれた待望の一撃。王者・鹿島に追い付いてのドロー。新潟の勢いにさらに拍車がかかりそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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