beacon

全日本大学選抜、山村が“南アの財産”でロンドン五輪出場を実現へ!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.27 練習試合 全日本大学選抜7-5流通経済大 フットボールフィールド]

 南アフリカW杯で日本代表にサポートメンバーとして帯同したDF山村和也(流通経済大3年=国見高)。

 この日の試合では、後半から出場。高い位置でDFラインを保ち、時には前線からプレッシャーをかけ、アグレッシブな守備でチームを統率した。悔しくも出場した時間内に、3失点を喫したが、CBながら、攻撃にも積極参加。安定したボールコントロールで存在感をアピールした。

 W杯の「経験者」ともなれば、選抜内でもリーダー的存在なのかと思いきや、自分の役柄を「案内役です。宿舎の案内役」と笑いながら話す。日本代表に囲まれた場から、同世代の集う場に来たことで、いい意味で気楽に選抜という場を楽しめているようだ。

 しかし、W杯に行ったことにより、めざす目標と、今するべき事が明確化された。日本代表の選手たちを目前に、「コンディションとか自分の体調のケアとかも自分でしていた。そういうところが大学生と違う」と感じた山村は、同世代の選手よりも、意識面では一歩先に進み、世界レベルの大会にも目が行くようになった。

 現在、全日本大学選抜の中野雄二監督は「五輪のメンバーに入るためには、今年はこういうことを計画的に体つくりをしよう。来年にはこういうふうにしようとか、短期目標、中期目標、長期目標とちゃんとスケジューリングして、それを妥協せずにこなせるかどうか」と話しているが、選抜内には「自分が五輪代表」というのがピンとこない選手が多いのが現状だ。

 しかし山村は、ロンドン五輪代表について「チャンスがあるので、頑張って入れるようにしたい」ときっぱり話し、具体的には「Jに行けたら行きたい。プロで出れるように。ロンドンまでの間に体をつくって、当たり負けしないようにしたい」と話すなど、五輪までの日々をどう鍛えていくかまで考えている。このような姿勢は周囲の選手へと、大きな刺激になるだろう。

 南アフリカで多くのものを見て、より高い目標設定と、それに応じた準備の必要性を身を持って感じてきた。中野監督も「当然、経験からいっても山村が、このチームの軸となる」と話すなど、今後、山村にかかる期待は大きい。

 また、ロンドン五輪出場の先には、2014年W杯も見えてくる。ロンドン経由ブラジル行き-。そんな大きな目標へ向け、「案内役」として先頭を走り、チームを引っ張るつもりだ。

(取材・文 片岡涼)

TOP