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[MOM286]米子北DF昌子源(3年)_会場どよめく圧巻FK

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.3 全国高校総体3回戦 流通経済大柏 1-2 米子北 与那城総合公園多種目球技場]

 圧巻の一撃だった。「相手の壁が雑だった。一番左端と2番目の間が少し空いていたので、そこを狙った」と語ったように、1分、ゴール左より正面の位置でFKを得ると、米子北DF昌子源(3年、写真左)は迷わず右足を強振した。強烈なインパクトから放たれたボールは、壁を形成する選手の顔と顔の間をすり抜け、ポップしながら、ゴール左上隅に突き刺さった。圧巻の弾丸ライナーに、会場からは大きなどよめきが起こった。

 この一撃が優勝候補筆頭のリズムを大きく狂わせた。米子北のペースで試合が進み、リズムを奪われても、昌子を軸にした米子北のDFラインは崩れなかった。特に空中戦においては、彼がほとんど競り勝っていた。「相手が思った以上に蹴ってきた。でも落ち着いて対応が出来た」と語ったように、あわてることなく、守備陣全体をコントロールした。FKから一度は同点とされたが、それ以降は2年生GK助田龍太郎と共に、空からの攻撃はシャットアウトし、地上戦においても、相手に自由を与えなかった。彼を軸にした守備陣の粘りがあったからこそ、FW山本健太郎の決勝弾に繋がった。

「まだまだ集中が切れるときがあるし、ピンチが続くとイライラしてしまうので、底は冷静になって、もっとDFリーダーとして中心になってやっていきたい」。
心身ともに成長した昌子がDFラインで構える限り、米子北の昨年同様の快進撃が続く可能性は高いし、悲願の頂点も見えてくるだろう。

(取材・文 安藤隆人)

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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