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ボランチ陣が相次いで離脱。細貝スタメン出場へ

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 右ふくらはぎ痛の長谷部誠(ヴォルフスブルク)が練習前にチームを離れ、練習中には今野泰幸(F東京)が右ふくらはぎに違和感を訴えて離脱。今野の負傷を受けて急きょ先発組に入った細貝萌(浦和)は、「僕は運がある方。今まで運だけで来られたとも言える。この運をいい結果につなげたい」とパラグアイ戦での活躍を誓った。

 まさに強運の持ち主だ。

 05年、浦和加入1年目の天皇杯では、外国籍選手のケガや田中マルクス闘莉王(名古屋)のブラジル帰省でDFの人数が足りなくなり、当時のブッフバルト監督から大抜擢を受けた。経験のないセンターバックで先発出場を重ねると、チームはあれよあれよの快進撃でJリーグ発足後初の栄冠に輝き、細貝はルーキーながら優勝メンバーに名を連ねた。

 また、チームではその後何年間もレギュラーポジションを獲得できない時期が続いたものの、北京五輪では反町康治監督の抜擢を受け、サイドバックとしての新境地を開いた。

 今回は阿部勇樹(レスター)の移籍事情にも絡むなど、選出そのものに多少の運があったうえに、その後主力が相次いで離脱。さらには遠藤保仁(G大阪)が左ふくらはぎ痛でパラグアイ戦を欠場するという背景もある。

 とはいえもちろん、単なる運だけで先発組に入ったわけではない。原博実監督代行が「細貝は浦和で力を発揮していて、伸びていると感じていた。コンディションもいい」と選出理由を語っていたように、相応の実力があるからこその先発指名だ。

 その裏付けでもあるのが、ダブルボランチを組むことになりそうな中村からの言葉。「憲剛さんからは“普段通り、勢いを持って前へ行け。それがお前の持ち味だから”と言われた」と話すことから、W杯戦士からもJでのパフォーマンスや特長をしっかり認識してもらっていることが伝わる。

 年上に可愛がられる性格で、コミュニケーションもバッチリだ。「憲剛さんはバランスを取ってくれると思うので、僕はその周りを走り回って、いけるところはどんどん行こうと話している。まずは守備から入りたい」とイメージはハッキリしている。

 「長谷部さんには“これでチャンスがあるんじゃないの”と言われた」と笑顔も浮かべた細貝。初代表初先発という千載一遇のチャンスで、大いにアピールするつもりだ。

<写真>初選出のMF細貝萌は先発デビューが濃厚になった

(取材・文 矢内由美子)

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