beacon

日本vsパラグアイ 試合後の選手コメント

このエントリーをはてなブックマークに追加
[9.4 キリンチャレンジ杯 日本1-0パラグアイ 日産ス]

 新生日本代表がMF香川真司(ドルトムント)の決勝点で初陣勝利を飾った。アルベルト・ザッケローニ新監督がスタンドから視察する中、日本代表はパラグアイ代表と対戦。6月29日の南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦でPK戦の末に敗れた相手との再戦は後半19分に香川が決勝点を決め、1-0で雪辱を果たした。
以下、試合後の選手コメント

●FW森本貴幸(カターニア)
―残念ながら得点はなかった。
「何回かいいパスがあったけど、合わせられなかった。このチームのFWは1点取ったか、取らないか。ゴールを取れれば、いいと言われる。今日は取れなくて悔しい」
―グアテマラ戦で取りたい?
「次、チャンスがあったら取りたい」
―本田とのコンビネーションが少なかったが。
「ゼロではなかった。これからです。一緒にプレーすればよくなる。これから頑張りたい」

●FW岡崎慎司(清水)
―ゴールシーンはうまくスペースを空けた?
「下がるタイミングは悪くなかったと思う。ただ、自分が点に絡まないといけない。次は決めたい。1トップでも自分たちが主導権を持っていればやれる。次の試合も楽しみだし、点を取れるようにしたい」

●MF香川真司(ドルトムント)
―得点シーンは?
「イメージ通りです。ああいうのはいつも狙っているし、得意な形だった。うまくコースに蹴れた」
―攻撃がスローダウンして前がつまったときだったが?
「確かモリ(森本)かだれかが(実際には岡崎が)CBを引き付けてスペースが空いて。うまく引き付けてくれた」
―W杯で負けた相手に雪辱を果たした。
「悔しさはあったし、見ているサッカーも守備的で。W杯ではしょうがない部分もあるけど、今日は違うところを見せたかった。ただ、パラグアイは後半になって落ちたので」
―ドイツでの経験を生かした?
「自分ではどこが成長したかは分からないけど、充実しているし、サッカーへの姿勢とか、そういうものは日々強まっている。それしかやることはないし、雑音に惑わされず、自分のサッカーをやっていきたい」
―前の4人の組み合わせがよかったと思うが、C大阪と同じような感じだった?
「比べちゃダメですけど、やりやすかったですね。ボランチとCBの間でうまくチャンスになっていたと思う」
―新しい代表の初陣で決勝点を決めた。
「勝ちたかったし、点を決めたかった。自分の点でチームが勝てたことはよかった。それを求めていたので」
―前はドリブルが好きだと話していたが、今はドリブルよりもゴール?
「やっぱりゴールを取っていかないといけない。ドルトムントでもそうなので」

●MF中村憲剛(川崎F)
―アシストを振り返ると?
「(香川)真司がいい動きをしてくれた。オレはそれに合わせただけ。(ハーフタイムに)狙っとけという話をしてたし、真司も出してくださいと。前半、パラグアイが(アグレッシブに)来てましたけど、この暑さの中で絶対にもたないと思っていた。案の定、落ちた」
―香川と息も合っていた。
「紅白戦とかいつも一緒にやってて、ああいう左から中に入っていくのが好きなのは知っているから」
―新しい日本の初戦でした。意気込みは?
「僕もそうだけど、あのとき(W杯に)出てない選手、今まで出ていていた選手もそうですが、周りが新しい日本代表を期待してくれて、きょうも6万人入ってくれて、下手な試合はできないなと思っていた」
―いいスタートが切れた。
「勝ったんで、いいスタートが切れたと思うけど、このあと、(ザッケローニ)監督がメンバーをまたセレクトしますし、選手は毎試合毎試合、ベストを尽くすだけだと思う。自分の特徴というか、そういうところアピールしながら、存在を出していきたい」
―岡田ジャパンではなかった長いパスが出ていた。
「パスを配るのが自分の特徴。それをやらなかったら自分じゃない。スルーパスだけでなく、局面を変えるひとつのコンパクトパスとか、チームのためにしっかり出したい」

●MF松井大輔(トム・トムスク)
「パラグアイを相手に新しい代表の1ページ目を刻むことができた。最初はいい感じで攻めていたけど、途中でなかなかつなげなくなった。みんなで話し合いながら、試合の中でリズムをつくることが大事だと思う。一番は勝つことができたことが大事で、いいスタートが切れたと思う」
―前線の4人のコンビネーションは?
「初めてにしてはすごくよかったと思う。あとは暑い中でしんどかったし、どこでボールを落ち着かせるかをもう少し考えないといけない」
―欧州に移籍した選手も増えて変わったことは?
「まだまだこれから。僕自身、また違う道を切り開いていかないといけない。ゼニト戦があるので、それに向けて早めに帰ります。短い期間で日本らしいサッカーができたと思う」

●MF細貝萌(浦和)
―代表デビューで先発フル出場。自分らしさも出せたのでは?
「そうですね。でも、チームが勝ったことが自分にとってもチームにとってもすごく大きいことでした。良かったです」
―中村との関係は?
「憲剛さんがボールを散らしてくれていたので、その周りでうまくバランスを取ることを心がけました。多少強引にシュートでも打とうと思ったけど、今日は憲剛さんに前めでやってもらうということだったので、前に出る回数は少なかったですけど、とにかく勝って良かったです」
―気負うこともなかった?
「フル代表に関しては最初だったのですが、緊張もまったくしなかったし、オリンピックで一緒にやった選手も多かったし、みんな声をかけてくれたので、やりやすかったです。ただ、もう少しガツガツいけばよかったと思います」
―外国のフル代表のチームとやってみて、当たりの強さはどう感じた?
「外国人選手は球際が強いと、改めて感じましたし、自分もそういう環境でやりたいと思っています。(中澤)佑二さんや(栗原)勇蔵さんには、自分のところはガッツリ行くということは話していました」
―日本代表もほとんどが欧州組だが?
「普段からいろいろ話す機会がありますが、やはり厳しい環境でやっていると感じるし、欧州組は球際でも自分より上をいっていると感じます」
―代表デビューがボランチだったことについては?
「僕自身、勝負したいポジションはボランチです。ただ、代表ではいつも以上のことはできないので、いつも通りやろうと心掛けていました。いいアピールになったかどうか分からないけど、個人のことより、チームの一員として勝てたことが大きいです」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「無理をせずに(クラブに帰ることになった)。大会だったら出てますし、親善試合なので。ドクターと原さんと話して、同じリハビリをするならチームでということになった」
―8日にはナビスコ杯もあるが?
「ナビスコに間に合えば一番いいし、入れなかったら、そのあとのリーグ戦に合わせてやっていきたい」
―新監督の前でアピールできず残念?
「残念な気持ちはない。試合に出たかったのはあるけど。始まったばかりだし、毎回選ばれるようにやっていきたい」
―監督と直接話は?
「まったく話してない。同じホテルに泊っているのかも知らない」

●MF橋本英郎(G大阪)
「一気に押し込んでいく力はあると思う。点が入ったときも相手を押し込んで、どこにでもパスを出せる状況だった。アジア予選とかもそういう展開になると思うし。ただ、うちらは地の利があるし、最後は相手もダメージがたまっていた。前半途中は押し込まれる時間もあったと思うけど、うまく乗り切った。そこらへんはみんなの意思が一致していた。W杯をやっているメンバーは踏ん張るところが分かっているのかなと思う」

●MF藤本淳吾(清水)
―途中出場。デキはどうだった?
「パスミスが多かった。でも、落ち着いてできたと思う。シュートチャンスあった? チャンスがありましたね。あれを枠に入れられればよかった」
―動きは悪くなかった?
「もうちょっとボールに絡めたらよかった。点を取れたらよかったですね」
―久々の代表の雰囲気は?
「初めてではないので、緊張とかはなかったです。やっぱり久しぶりに外国人選手と試合をしたので、どれくらい足が出てくるとか、日本人と違うところを感じられた」

●DF長友佑都(チェゼーナ)
―クロスが良かった。
「いいタイミングで上げられたと思う。森本も岡崎も、いいタイミングで入ってきてくれた」
―精度が上がったように思うが?
「練習してます。向こうでもセットプレーを蹴らしてもらえてるんで」
―サンタクルスを抑えた。
「負けたくなかった。思い切っていこうと、当たっていった」
―イタリアで学んだことは?
「外国人選手は、ロッカールームでひとりだけ声を出していたり、集中するのがうまい。アドレナリンを上げるのが。自分も試合前は自分の世界に入って、モチベーションを上げるようにしている。岡田さんのときにサムライ魂を養ったけど、それを忘れないようにしている」

●DF内田篤人(シャルケ04)
「前回パラグアイに負けていたので、勝ってスタートを切るのが一番手っ取り早かった。ドイツでは練習が充実しているし、試合に出る、出ないに関係なく、意識をしっかり持ってやれば身になると思う」
―今日は違いを見せられた?
「今日はいつも通り。あまり変わらないんじゃないですか」
―香川が決勝点を決めた。
「もともとやれるやつだと思っていた。あいつはやるよ」
―攻撃参加が少なかった?
「SBとしては中盤の選手が大事だなと思った。シュンさん(中村俊輔)の偉大さを感じた。今日はバランスを取って上がることは少なかったけど、中盤が縦に急ぎ過ぎて、上がるタイミングもなかった」

●GK川島永嗣(リールス)
―因縁のパラグアイ戦に勝利した。
「向こうも同じようなメンバーで来て、こういう新しいスタートの中で違った選手が入ってもいいシーンをつくり出せた。いい結果だけではなく、いい内容も見せられたと思います」
―個人としては久々の勝利だった。
「かなり久々ですね(苦笑)。やっぱり勝つって本当にいいですね。DFも最後のところで体を張ってくれましたし、全員でしっかり連係して、結果にこだわってプレーできました。新しいメンバーも入ったけど、試合の中でこういうシーンが出てきたらこうしようという話はしていたし、それはうまくできた」
―栗原が奪われてピンチになった場面も1対1で止めた。
「ああいうシーンはこういう気温が高い中だと出てきますし、そういう中で自分が仕事をしていかないといけないです」
―期間はまだ短いが、ベルギーで得ていることは?
「ベルギーも個人個人の能力は高い。そういうリーグの中で強豪とやったり、個の能力の高い選手のシュートを受けたりもできる。そういうギリギリの中で自分が何をできるか。1試合1試合の中でも多くの仕事をしないといけないことがある。今日は数えるほどのプレーかもしれないけど、チームに戻ればそれ以上の仕事をしないといけない。そこから学ぶことがあります」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、近藤安弘)

TOP