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寿人の1G1Aで10人のG大阪を逆転、広島が初の4強入り

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[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 G大阪1-2広島 万博]

 ナビスコ杯は8日、各地で準々決勝第2戦を行い、万博記念競技場ではガンバ大阪サンフレッチェ広島が対戦。アウェーでの第1戦を1-0で先勝したG大阪は前半17分にDF加地亮が一発退場となり、数的不利の展開を余儀なくされた。広島は前半27分にFW佐藤寿人、後半11分にMF森崎浩司がゴールを決め、2試合合計2-1と逆転すると、G大阪も後半37分にFWドドのゴールで1点を返したが、2試合合計2-2、アウェーゴールの差で広島がG大阪を振り切り、初の準決勝進出を決めた。

 G大阪はMF遠藤保仁、MF明神智和が負傷欠場し、前日のグアテマラ戦に先発したMF橋本英郎も欠場。駒不足の中盤ではDF山口智、MF武井択也がダブルボランチを組んだ。
 広島はMFミキッチが先発に復帰し、ボランチではMF丸谷拓也が先発。日本代表DF槙野智章はベンチスタートとなった。
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 山口のボランチ起用など急造布陣で臨んだG大阪はなかなかリズムをつかめない。広島も中盤のビルドアップではパスが回るが、アタッキングサードでの攻め手を欠き、試合は静かな立ち上がりとなった。

 G大阪は前半16分、MF服部公太のバックパスをMF二川孝広が奪って速攻に持ち込むと、二川からパスを受けたMF宇佐美貴史がPA内から決定的なシュート。しかし、これはGK西川周作の好守に阻まれた。

 すると、その直後だった。広島は西川のロングフィードからFW佐藤寿人が最終ラインの裏を突き、DFとうまく体を入れ替えて前を向く。PAすぐ外でDF加地亮が思わず倒してしまい、決定機阻止により一発退場となった。

 10人のG大阪は山口を最終ラインに下げ、3バックに変更。二川が右サイドに入り、武井のワンボランチという3-3-2-1にシステムを変更した。

 数的優位に立った広島は前半24分にDF森脇良太が思い切りよくロングシュートを狙うなど攻勢を強める。そして同26分、右サイドからのクロスをMF高萩洋次郎が縦に落とすと、オフサイドラインぎりぎりから抜け出した佐藤が倒れ込みながらボレーシュート。これがゴール右隅に吸い込まれ、広島が均衡を破った。

 これで2試合合計1-1。一気に“逆転ゴール”を狙う広島が一方的にG大阪を押し込んだ。二川の背後のスペースを服部が突いてボールを呼び込み、何度もゴール前にクロスを送る。それでもG大阪も中央の3バックが体を張って跳ね返し、前半を折り返した。

 G大阪は後半開始から平井に代えてMF佐々木勇人を投入。佐々木は右サイドに入り、宇佐美が1トップ、その後方に二川とルーカスが並ぶ形になった。

 ボール支配率を高め、2点目を狙う広島は後半6分、鋭いスルーパスに佐藤が反応。ドリブルでGKもかわしたが、DFがカバーに入り、シュートは打てなかった。この場面で佐藤が転倒した際、右肩を負傷。いったんピッチを離れたが、そのままプレーを続けた。

 すると後半11分、縦パスを受けた佐藤が後ろに落とし、MF森崎浩司がダイレクトで左足を振り抜く。これがきれいにゴール左隅に突き刺さり、2-0。2試合合計でも2-1と逆転に成功した。

 右肩を痛めた佐藤は得点直後の後半12分にFW山崎雅人と交代。アウェーゴールの関係で逆転には2点が必要になったG大阪も同14分、二川に代えてFWチョ・ジェジンを投入し、なんとか反撃を狙った。

 広島は後半21分、服部を下げ、前日のグアテマラ戦にフル出場したDF槙野智章をピッチに送り込む。槙野はそのまま中盤の左サイドに入った。

 攻めるしかないG大阪は後半33分にDF中澤聡太に代えてFWドドを投入。DFの枚数を減らして最後の猛攻を仕掛けると、同37分、DF高木和道のロングフィードからチョが競り合ったこぼれ球をドドが左足で蹴り込んで1点を返した。

 2試合合計2-2。しかし、アウェーゴールの差でこのままでは敗退となるG大阪は10人を感じさせない猛攻で“勝ち越しゴール”を目指したが、後半44分に佐々木の右クロスに合わせたチョのヘディングもゴール右へ。そのまま広島が逃げ切り、初のベスト4進出が決定。準決勝では清水と対戦することになった。

<写真>サポーターに挨拶する広島イレブン
(取材・文 西山紘平)

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