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[仙台カップ]攻守にちぐはぐなU-19代表、ブラジルに敗れる

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[9.11 仙台カップ第2戦 U-19日本代表 0-1 U-19ブラジル代表 ユアスタ]

 第8回仙台カップ国際ユースサッカー大会は11日、大会2日目を迎えた。共に初戦で快勝したU-19日本代表とU-19ブラジル代表がユアテックスタジアム仙台にて対戦し、U-19日本代表は0-1で敗れた。大会最終日は明日12日、U-19日本代表はU-19中国代表と対戦する。

 4-4-2システムのU-19日本代表は1戦目と先発メンバー7名を入れ替えた。GKは初戦で出場しなかった嘉味田隼(神戸)、DFラインは右から同じく初戦で出場のなかった田中優毅(日本体育大)、遠藤航(湘南ユース)、平出涼(F東京)、初戦では中盤に入った酒井高徳(新潟)、ボランチは風間宏希(ロウレターノDC)と田口泰士(名古屋)。右サイドハーフに小林祐希(東京Vユース)、左は初戦でメンバー外だった宇佐美貴史(G大阪)、2トップは杉本健勇(C大阪)と重松健太郎(F東京)となった。ゲームキャプテンは初戦で貴重な先制ゴールを決めた酒井。なお、初戦で1アシストの活躍をしたMF藤田息吹(慶應義塾大)はメンバー登録から外れた。

 試合開始から日本は相手が前がかりになった裏のスペースやサイドバックの裏を突き、チャンスを作ろうとした。一方のブラジルは個人のドリブル突破からチャンスを伺う。共に一進一退で、決定機らしい決定機のない状況だったが、20分を過ぎた辺りから徐々に日本がパスミスからピンチを招き、ブラジルにシュートを打たれる場面が目立ちはじめる。布啓一郎監督からも「下がり過ぎるな!」と檄が飛ぶ。それでもブラジルの攻撃が強引なドリブル突破からのミドルシュートに偏ったこともあり、日本は徐々に落ち着きを取り戻して失点を許さなかった。日本はアディショナルタイムには小林のロングパスで裏に抜け出した重松がシュートを放ったが、惜しくもゴール右に外れて0-0で前半を終えた。

 メンバー交替無しで迎えた後半も立ち上がりからブラジルがゲームを支配し、日本はなかなか相手陣内に攻め込めず、シュートの雨を浴びた。防戦一方の中で迎えた8分、田口からのパスを重松が受け、左サイドから駆け上がってきた酒井が鋭いクロス。杉本に合えば1点という場面だったが、惜しくも杉本が合わせられず大きな決定機を逃した。直後の11分、日本はボランチとセンターバックの間のスペースを突かれ、日本の右サイドに抜け出したアラン(サントスFC)にシュートを許す。これは嘉味田が止めたが、こぼれ球をエンリケ(ECヴィトーリア)に押し込まれてブラジルに先制されてしまった。

 その後日本も反撃に転じ、13分には小林のFKから杉本がヘディングシュート。また21分には重松の直接FKなどでチャンスを作ったが、ゴールを奪えなかった。18分には中盤で思うようにボール奪取ができなかった風間を下げて、CBに内田達也(G大阪)を投入。平出をボランチに上げて守備のバランスを修正したが、それでもブラジルの攻勢を思うように止められず、再三のピンチを招いた。

 攻守にちぐはぐな日本は26分、杉本に代えてFW宮吉拓実(京都)、小林に代えてMF菊池大介(草津)を投入。さらに32分、重松に代えて左SB古林将太(湘南)を投入し、酒井を左サイドハーフに上げ、宇佐美をFWへスイッチする。だがゴールは遠く、むしろ間延びして相手のカウンター攻撃を受けてしまう展開に。35分に相手FWルカス・ガウチョが2回目の警告で退場となり数的優位に立ったが、その後も決定機を作れなかった。
 43分には田中に代えてDF岡本拓也(浦和ユース)が投入されたが、試合展開は変わらず、アディショナルタイムに岡本のクロスから宮吉がポストに入り、菊池がフリーでシュートを放ったが、このシュートが枠を外れてそのまま試合終了。U-19日本代表は0-1でU-19ブラジル代表に敗戦を喫し、勝ち点3のまま。U-19ブラジル代表は勝ち点を6に伸ばし、単独首位に立った。

 初戦、U-19フランス代表に勝利したU-19日本代表だったが、相手を自陣に入れさせて、その裏を取る攻撃は機能したものの、中盤からパスを繋いで攻撃の形を作る場面は少なく、選手達は勝ったものの次々と反省点を口にしていた。そうした選手達の不安が現実のものになり、この試合はパスが繋げない上に、裏を取ろうとしても相手に手堅く対応され、攻撃は機能不全に陥った。
 守備でも球際の部分で相手に負けてしまうことが多く、1失点とはいえ、大きな課題が出てしまった。既にJリーグで活躍しているタレントが豊富で、SBS杯(8月、静岡)から白星を重ねて順風満帆に見えたU-19日本代表であったが、サッカー大国ブラジル相手に攻守の課題を突きつけられ、AFC U-19選手権(アジアユース)に向けても不安の残る一戦となってしまった。 

(取材・文 小林健志)

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