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湘南は12戦未勝利。反町監督「東京V戦のプレイバックを見ているようだった」

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[10.3 J1第25節 F東京3-0湘南 国立]

 湘南ベルマーレは“暗いトンネル”に取り残された。11試合勝ち星なしに対し、10試合勝ち星なしで16位・F東京との“裏天王山”だったが、前回対戦の7月25日と同様、F東京に白星をつかまれて11戦ぶり勝利を献上。12戦(3分け9敗)連続で勝ち点3を逃した。

 「今日は悪いところを探すのが難しいぐらいのゲームだったと思います。それぐらい我々は最下位にもかかわらず勇敢に戦った。試合終了後に多くの監督が言う言葉ですが、あれが入っていればという試合でしたね。全体的には悪くはなかった」

 反町康治監督は、本当に悔しそうな表情を浮かべた。スコアは0-3の完敗だが、クロスバー直撃のシュートやGKと1対1になった場面など数回、完全な決定機が作れた。しかし、GK権田修一のスーパーセーブもあり、ゴールが遠かった。「ザッケローニ監督が権田を選んだことで、権田が自信を持ち、いいプレーをしたのかもしれません」とぼやいた。

 何より1失点目が悔やまれるという。「見てない人が多いでしょうが、実は昨年、湘南と東京Vがここで試合(1-2敗戦)をしたんですが、そのプレーバックを見ているようだった。土屋がヘディングで競り勝って、キーパーの前を横切った大黒がゴールを入れた。その映像も、もちろん見せるんですけどね……」。

 前半38分、右CKから今野泰幸がヘディングで競り勝ってゴール前に落とし、それを大黒将志が反応してGK野澤洋輔より先に触って押し込んだが、コメント通り、十分に警戒していたこと。これで浮き足立ち、1分後には石川直宏にミドル弾を決められ、後手を踏んでしまった。反町監督は「今日は先制点が左右すると思っていた。その後の失点も含めて悪くないだけに、もう一度試合がしたいと思います」とうなだれた。

 12試合白星なしで、勝ち点は15のまま。17位・京都とは同じ勝ち点だが、16位・神戸に8差、15位・F東京に9差、14位・大宮には12差が付いている。数字的には逆転は不可能ではないが、対戦表を見ると目を覆いたくなる。次節は鹿島で、終盤ラスト5試合に至っては清水、名古屋、G大阪、C大阪、新潟と優勝争い&ACL争いを繰り広げる強豪との対戦が残っている。

 「次、天皇杯もあるのでファイティングポーズをとっていくしかないと思っています」。反町監督は何とか前を向こうとした。J1残留は厳しい状態で、今後も苦しい戦いが続くだろう。だが、指揮官が発した言葉通り、選手たちはサポーターのためにも、戦う姿勢を見せ続けるしかない。

(取材・文 近藤安弘)

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