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香川が本田圭に“挑戦状”、「今はトップ下が楽しい」

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 ザックジャパンのトップ下はオレだ! 日本代表FW香川真司(ドルトムント)がFW本田圭佑(CSKAモスクワ)に堂々と“宣戦布告”した。8日のアルゼンチン戦(埼玉)に向け合宿中の日本代表は5日午前、埼玉県内でフィジカルトレーニングを行い、前日4日夜に帰国したFW森本貴幸(カターニア)と5日朝に帰国した香川も合流。同日午前に帰国した本田圭は姿を見せず、午後練習から合流する見通しとなった。

 成田空港から埼玉県内の練習場に直行した香川は「飛行機で寝れなかった」と、さすがに疲れた表情だった。チームに少し遅れてグラウンドに到着すると、アルベルト・ザッケローニ監督と固い握手をかわし、初対面となるイタリア人コーチングスタッフひとりひとりに挨拶し、握手して回った。その後は森本とともに別メニューで調整。本格合流は午後からとなったが、すでに頭の中は代表モードに切り替わっていた。

 「アルゼンチンという最高の相手に対して楽しくサッカーができれば。勝ち負けは関係ないというわけじゃないけど、そこまでこだわらなくてもいい。しっかりチャレンジして、楽しめれば。自信を持ってやりたい」

 FWリオネル・メッシらほぼベストメンバーで来日するアルゼンチンに対し、気後れしているわけではない。むしろドイツで深めている手応えを確固たるものにするには格好の相手と言える。

 「結果を出したら自然とボールが集まったり、サポーターも信頼してくれるというのを実感した。代表でもしっかり結果を出したい。まだまだ結果を出していないので、アルゼンチン戦が大事になる。監督の初陣? どの試合でも結果を残したいと思っているけど、そういう意味でも大事な一戦。インパクトのある結果を残したい」

 ドルトムントでは4-2-3-1のトップ下として不動の地位を築いている香川だが、今回はFW登録での招集となった。ザッケローニ監督がどんなシステムを採用するかはまだ分からず、トップ下のいない3トップという可能性もある。「それならそれでしょうがない。どこででも自分の良さを出せれば。前のポジションならどこをやってもやれる自信はある」と、3トップのサイドでの起用などあらゆる可能性にも柔軟に対応していくつもりだ。

 とはいえ、「今はトップ下をやっていて楽しい」というのが偽らざる本音だ。クラブでの活躍ぶりや個々の特性を考えれば、原博実監督代行が指揮した9月の代表戦で採用した4-2-3-1を継続する可能性はある。そうなった場合にトップ下のポジションを争うことになるのが本田圭だ。

 9月のパラグアイ戦、グアテマラ戦はいずれも本田圭がトップ下に入り、香川は左サイドだった。代表での実績は劣る。それでも一歩も引くつもりはない。「結果を残していけば自然とポジションは取れると思う」。“挑戦状”とも受け取れる強気な発言も自信の表れだ。

 ドイツで目覚ましい活躍を見せる香川と、南アフリカW杯後無得点と元気のない本田圭。果たしてザッケローニ監督はどちらを選択するのか。それとも本田圭、香川を両翼に置く3トップを採用するのか。本田圭も合流し、完全非公開となる午後練習。“鉄のカーテン”の内側で、いよいよ攻撃面に着手する。

<写真>成田空港からグラウンドに直行した香川真司(左)がザッケローニ監督と握手

(取材・文 西山紘平)

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