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重みある『1』に決まった川島「意味のある番号だと思う」

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 いつも以上に気合で満ち溢れていた。常にGK陣の先頭に立って練習するGK川島永嗣(リールス)だが、6日の練習では軽めのメニューでも積極的に声を出し、ボールに食らい付く。そこはGK陣のリーダーとしてだけではなく、日本の守護神としての自覚が漂っていた。

 「一番いい番号であるし、意味のある番号だとは思っている。責任持ってやっていきたい」

 前日5日、ザッケローニ監督の初陣となるアルゼンチン戦、韓国戦の背番号が発表され、川島は「1」を背負うことが決まった。08年2月17日の北朝鮮戦で「23」をつけて代表デビューし、その後は南アフリカW杯はもちろん、9月の国際親善試合でも背負った「21」が定番だった。

 「1」は初めてではないが、川口能活や楢崎正剛が故障などで不在だった3試合で背負ったことがあるだけ。09年11月14日の南アフリカ戦(0-0)以来となるが、今回は重みが違う。ザックジャパンでは川口は外れ、楢崎も代表引退。GK陣の最年長となった。たしかに実績では川島が1を背負うのは当然といえるが、今回、本田圭佑らW杯メンバーの背番号は変更がなく、注目を集める中村俊輔の背番号「10」も空き番のままとなったが、川島だけ「1」に変更された。これは名実ともに、日本の守護神として期待されている証だ。

 すでにイタリア人のグイードGKコーチと通訳なしで話せるなど、存在感を十二分に発揮している川島。しかし、さらなるリーダーシップを発揮するつもりだ。

 「今まではナラさんとヨシカツさんが日本を引っ張っていってくれた。今度は自分が日本のGKにとっての、新しい流れを作れるようにやっていきたい」と川島から頼もしい言葉が飛び出した。ともに4大会連続でW杯出場を果たした川口、楢崎の背中は偉大だが、川島なりの新たな「1」の歴史を作り上げる。

(取材・文 片岡涼)

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