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ザック監督、アルゼンチン戦の“補習”を実施。試合時間が遅れるほどの熱弁

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 勝って兜の緒を締めた。日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が9日、ミーティングを開いてアルゼンチン戦の“反省会”を行った。この日は埼玉県内で午後から先発組がクールダウン、控え組が流通経済大と練習試合を行ったが、その前に宿舎で“ザック補習”を開いた。予定していた試合開始が約30分間遅れるほど熱弁を振るった。

 ザッケローニ監督はこの日、取材対応はなかったが、選手によると、驚くほどの細かさだったという。課題ばかりを集めて編集された映像を見ながら話をし、問題のあったシーンでは映像を止めて指示を送っていたという。MF長谷部誠(ボルフスブルク)は「細かかったですね。攻守半々くらいですね。前半だけで20シーンくらいあった。DFの裏に走るときの角度とか、中盤のどのゾーンでドリブルしたら危険とか、細かかった。どれが最重要ということではなかった」と細部に渡って満遍なく“メス”が入れられたことを明かした。

 アルゼンチンを完封した守備面も再指導されたようで、MF中村憲剛(川崎F)は「基本的には守備のポジションのこと。相手のボールに位置によって、ラインの高さをどうするかということを話した」と明かす。ザック監督は中央の守備を重視したラインDFを標榜しているが、さらに完成度を高めるために、無失点だった守備でさえも修正点を挙げた。

 GK西川周作(広島)は「間延びする時間があったので、そこをどうコンパクトに守ればいいか、一人一人のポジショニングを細かく言っていた。ビデオを止めながら、サイドの選手だけでなくCBにも、一人一人個別に指示を出していた。分かりやすいミーティングだった」と明かしており、全体的なことだけでなく、選手を名指ししながら個別に動き方を指導したようだ。

 まさにイタリア人指揮官らしい細かい戦術指導だった。“ザックの補習”は40分ほど行われたが、長谷部によると、「後半戦は何個くらい課題を指摘された? 後半もたぶん多かったと思うけど、後半は1つか2つで終わった。(練習に向けた)出発の時間が来たので、途中で止めて出てきました。全部やってたら? 1時間以上になっていたと思う」と苦笑いを浮かべた。

 結局、午後5時の練習開始が20分ほど送れ、試合も予定より30分遅れでスタートした。時間を忘れるほど熱いミーティングが行われた証拠だ。世界屈指のアルゼンチンを下しても、ザッケローニ監督は決して満足しない。まずは来年1月のアジア杯、そして最終目標であるブラジルW杯に向け、口酸っぱくザック流を叩き込む。

(取材・文 近藤安弘)

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