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磐田が逆転で9年ぶり決勝へ! 山崎のプロ初ゴールなどで川崎Fを下す

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[10.10 ナビスコ杯準決勝第2戦 川崎F1-3磐田 等々力]

 ナビスコ杯2010の準決勝第2戦が10日に各地で2試合が行われ、川崎市・等々力陸上競技場では川崎フロンターレジュビロ磐田が激突した。第1戦は川崎Fが1-0勝利していたが、第2戦は磐田が3-1で勝利。2戦合計で3-2で磐田が2001年以来5度目の決勝進出を決めた。川崎Fは昨年、決勝で敗れたうえ、表彰式問題で悔しい思いをしてリベンジに燃えていたが、2年連続の決勝進出を逃した。

 昨年、決勝で涙を飲んだ川崎Fは何としても勝ち抜きたいところ。第1戦はアウェーで1-0勝利しているが、日本代表のMF中村憲剛を欠いた。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。ダブルボランチは横山知伸と稲本潤一。2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップは黒津勝とジュニーニョが組んだ。

 対する磐田はFW前田遼一とDF駒野友一が日本代表で、DFパク・チュホが第1戦の負傷で、GK川口能活がかねてからの右内転筋痛で欠場と、川崎F以上に苦しい状況だった。システムは4-4-2でGKは八田直樹、DFラインは右から山本康裕、大井健太郎、イ・ガンジン、山本脩斗。ダブルボランチは那須大亮と岡田隆、2列目は右に西紀寛、左に船谷圭祐が入った。2トップはジウシーニョと成岡翔が組んだ。

 立ち上がり川崎FはV・ジュニーオールのサイド攻撃、磐田はジウシーニョのキープ力を活かして試合を作ろうとした。しかし、互いに要所で激しい守備を展開。最終ラインは崩させなかった。

 前半10分、川崎Fは右CKから黒津が頭を合わせるが、ジャストミートせずGK八田の正面を突いた。その後、磐田が2度の絶好機を迎えた。同19分、中央で成岡のスルーパスに船谷が抜け出してドリブル突進。フリーだったがシュートが遅く、DF伊藤に戻られた。同26分には左クロスを那須が頭で落とし、これにジウシーニョがオーバーヘッドシュートしたが、これもGK相澤の正面だった。

 そんな流れの中、磐田が貴重な先制点を奪った。前半35分、船谷の右CKに大井健太郎がヘディングであわせて先制した。これで2戦合計1-1と同点に追いついた。

 しかし、川崎Fがすぐさま取り返した。前半38分、V・ジュニオールが左サイドを突破してグラウンダークロス。これに黒津が反応してシュートに行くが、相手DFにブロックされた。だが、このこぼれ球をエースジュニーニョがPA内左で拾ってシュート。左ポストに当てながらもゴールに沈めて1-1に。2戦合計2-1と勝ち越しに導いた。

 前半は1-1、2戦合計2-1で川崎F勝利という状況で折り返した。後半、ともにメンバー交代はなくスタート。序盤から激しい攻防が繰り広げられた。ただ、もう1点取れば逆転進出できる磐田が激しい守備でボールを奪い、やや押し込む展開が続く。川崎FはV・ジュニオール、ジュニーニョのカウンターに頼った。

 試合はその後、一進一退の攻防が続き、後半23分、磐田は一気に2枚の交代カードを切る。船谷に代えてMF菅沼実、西に代えてFW山崎亮平を投入。右MFに菅沼、左MFに山崎が構えた。

 磐田は後半28分、山本脩に代えて最後のカードとしてDF金沢浄を投入。対する川崎Fも後半29分に一気に2枚のカードを切った。稲本に代わりMF谷口博之、田坂に代わってMF楠神順平を送り出した。谷口はボランチ、楠神は左MFに入った。これにより、V・ジュニオールが右MFに回った。

 ともにゴールを狙いに行く中、磐田が逆転ゴールを奪った。後半33分、中盤でのルーズボールから那須が浮き球でスルーパス。これに山崎亮平が抜け出して右足を一戦。若きストライカーのプロ初ゴールでこの試合2-1と勝ち越し、2戦合計2-2とした。これで磐田はアウェーゴール数2と、同1の川崎Fを上回り、逆転突破という状況に持ち込んだ。

 川崎Fは1点を返せば進出できるため、ゴールを狙いに行った。しかし、磐田が体を張って守り抜く。後半40分には黒津に代えてFW矢島卓郎を投入。V・ジュニオールや谷口も前線に残して猛攻を仕掛けようとした。

 そんな思いを磐田が再びゴールで打ち砕いた。後半43分、左サイドのCK付近でジウシーニョがキープ。DFに囲まれたが、金沢がフォローして左足クロス。これをFW成岡翔がヘディングで沈めて3-1、2戦合計2-3とした。試合はそのまま終了。前田、駒野、川口がいない中で磐田がアウエー戦を制して、逆転で決勝進出を決めた。

(取材・文 近藤安弘)

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