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高校3年生・小川のプロ初ゴールが決勝点、神戸が11試合ぶり勝利

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[10.30 J1第28節 G大阪2-4神戸 万博]

 18歳の高校3年生がチームの窮地を救った。FW大久保嘉人、MFポポという攻撃の要2人を故障で欠いたヴィッセル神戸。G大阪に2度のリードを許す展開から、そのたびに追い付くと、2-2の後半12分、DF石櫃洋祐の右クロスにMF小川慶治朗が飛び込む。右足で合わせたシュートはDFのブロックに当たって軌道を変えながらゴールマウスに吸い込まれた。

 小川のプロ初ゴールが値千金の決勝点となり、チームは8月8日の浦和戦(1-0)以来、11試合ぶりの勝ち点3を手にした。9月に三浦俊也前監督の後を継いだ和田昌裕にとっても就任6戦目でうれしい初勝利。指揮官は試合後のインタビューで「このまま勝てないのかなと不安に陥ったこともあった。(現役時代にプレーした)ガンバに勝ったことも感慨深いし、うれしい」と目を潤ませた。

 前半22分に先制を許す苦しい立ち上がりだった。それでも同36分、MFボッティの左クロスからFW吉田孝行が頭で流し込み、同点弾。同41分に再び勝ち越されたが、後半2分に左CKからDF河本裕之のヘディングで追い付き、同12分に小川のゴールで3-2と勝ち越した。

 その後はG大阪の猛反撃にさらされたが、体を張ってしのぐと、後半45分、DF安田理大の横パスを奪ったMF田中英雄がドリブルで持ち込み、PA内でフリーのボッティにラストパス。ボッティはワントラップから落ち着いて右足でゴールに叩き込み、ダメを押した。

 神戸ユース所属の2種登録選手ながら2試合連続の先発で後半38分までプレーし、チームを牽引した小川は「関西ダービー以前にチームが勝ってなくて、絶対に勝ちたいと思っていた。気持ちの部分。今日みたいな試合を続ければ負けないと思う」と力説した。

 83日ぶりの白星で勝ち点を26に伸ばしたが、F東京も勝ったため、順位は依然降格圏の16位。残留圏まで勝ち点2差のままだ。「FC東京さんも勝っているので、現状は何も変わっていない。とにかく勝つことしか残留の道はない」。和田監督はそう気を引き締めたが、J1残留へ希望の光が見える勝ち点3となったのは間違いない。

(文 西山紘平)

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