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思いはひとつ、寿人「公太さんと下田さんにカップを掲げてもらいたい」

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 チームメイトへの感謝の思いを込めてピッチに立つ。サンフレッチェ広島のFW佐藤寿人はベンチスタートが濃厚ながら、一時は絶望的かと思われた決勝の舞台に間に合った。

 9月8日のナビスコ杯準々決勝・G大阪戦で右肩鎖関節脱臼の重傷を負い、全治2ヵ月と診断された。当然、準決勝のピッチに立つことはできず、チームが勝ち上がるのを願うことしかできなかった。「決勝の舞台に連れてきてもらったという思いはある」。10月31日の横浜FM戦でリーグ戦7試合ぶりのベンチ入り。出場機会はなかったが、ギリギリのタイミングで大一番にこぎつけた。

 「負傷した右肩の状態もいいし、プレーできる状態。ケガしたときは決勝の舞台に間に合うか不安もあったけど、たくさんの人たちのサポートがあって戻ってくることができた」と感謝の言葉を口にした。

 実戦復帰がいきなりのナビスコ杯決勝。試合勘に不安がないわけではない。それでも「だれにでも復帰初戦というのはある。それが大きい舞台というだけで、逆にこれ以上の舞台はないと思っている」と力強く語った。

 「自分は戻ってこれたけど、(服部)公太さんがケガをしてしまって、ピッチに立てない。ずっとこのクラブを支えてきてくれた下田さんのためにも明日は優勝をつかみ取って、2人に優勝カップを掲げてもらいたい。それをモチベーションにしたいと思っている。自分はキャプテンとしてカップを掲げるけど、一番はその2人に掲げてもらいたい」

 決勝を目前に控えた10月13日の天皇杯で負傷し、右第5中足骨裂離骨折で全治4週間と診断されたMF服部公太。94年の入団から広島一筋で17年目を迎え、今季は公式戦1試合にベンチ入りしただけながら常に陰からチームを支えてきたベテランGKの下田崇。2人だけではない。広島に関わるすべての人の思いを胸に、寿人が国立決戦に向かう。

[写真]記者会見に出席したFW佐藤寿人

(取材・文 西山紘平)

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