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[アジア大会]山口が“有言実行のゴール”。激戦ボランチでアピール!

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[11.10 アジア大会GL第2戦 U-21マレーシア代表 0-2 U-21日本代表 広州]
 初戦の反省をさっそく活かした。U-21日本代表のボランチ山口螢(C大阪)は1-0の後半19分、PA内左からのFW永井謙佑(福岡大)の浮き球パスに飛び込み、豪快なダイビングヘッド。自身の今大会初ゴールで勝利を決定付け、自らの存在価値を示してみせた。
 「この前の試合よりも前にいけた。点も取れたし、(ゴールの起点を)自分で作った感じで、点が取れたから良かったです」
 学習能力の高さを発揮したゴールだった。格下相手に2得点だったため手放しで喜んでいたわけではないが、山口のコメントには充実感があふれていた。8日の初戦・中国戦は3-0と快勝したが、自身は得点に絡むことができなかった。守備のバランスを気にするあまり、持ち味の攻撃参加がなりを潜めた。武器が発揮でず「ボランチのバランスを見てしまっていた。もっと前にいけたはず」と反省。この日のマレーシア戦はより攻撃的なプレーをすると誓っていたが、有言実行した形だ。
 チームのため、そして自らの存在価値を高めるためにも、この大会での結果を求めている。U-21日本代表は、発足から今大会に向けてG大阪、湘南、水戸と練習試合をこなしたが、山口はボランチとして全試合に先発している。主将で南アフリカW杯のサポートメンバーだったMF山村和也(流通経済大)の“相方”として、チームの心臓部を任されている。
 しかし、この世代の本職ボランチにはMF米本拓司(F東京)、MF青木拓矢(大宮)、MF山本康裕(磐田)らがいるうえ、MF山田直輝(浦和)もこなすことができ、ロンドン五輪に向けたチームの激戦区だ。米本らは怪我やチーム事情があって今大会は不参加だが、山口は今後、招集される可能性がある“見えないライバル”にリードしようと燃えているのだ。
 この日のゴールが自信となり、山口がさらなる活躍を見せればレギュラーへの完全定着も夢ではない。何より、この競争原理がチームを強くする。守備も攻撃もこなし、そしてゴールも-。山口螢が名前のごとく、ヤングジャパンに、そして自らの未来に“光”をともす。
[写真]2点目を決めた山口
(文 片岡涼)

第16回アジア競技大会特設

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