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[アジア大会]登里、バースデー弾&恩返し弾。U-21日本、無失点3連勝で決勝Tへ

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[11.13 アジア大会GL第3戦 U-21キルギス代表 0-3 U-21日本代表 広州]

 まさに“ノボリデー”だ。第16回アジア競技大会で、グループAのU-21日本代表は13日、グループリーグ第3戦でU-21キルギス代表と対戦し3-0勝利。3連勝&無失点と最高の形で決勝トーナメントに進んだが、気を吐いたのがMF登里享平。自らの20歳の誕生日を祝い、恩師にも恩返しとなる2ゴールの活躍を見せた。

 「試合前からゴールは狙っていました。それが開始4分(公式は5分)で決められて嬉しかったです。フロンターレと契約した時の監督が関塚さんで、その関塚さんが監督のU-21代表初ゴールが(20歳の誕生日)今日だったので二重の喜びです」

 開始5分、MF大塚翔平が右サイドを深い位置まで突破してグラウンダーのクロス。これに飛び込んだのが登里だった。丁寧に足を合わせて先制点をもたらした。その後、キルギスが奮闘。地力で勝るはずの日本がペースを握り切れない時間帯が続いた。後半も立ち上がりからどこか日本らしさが見られなかったが、同16分、登里が流れを変えた。

 左MFで先発していたが、この時間帯、右サイドに回っていたアタッカーは巧みなドリブルで仕掛けてスルーパス。味方選手が抜け出し決定的なチャンスとなった。これが相手に倒されてPKとなり、登里がきっちりと決めて2-0とした。これで相手は意気消沈。3-0快勝に大きく貢献した。

 この日は主力を休ませるため10日のマレーシア戦から先発を8人入れ替えた。そのうちGK増田卓也、DF當間建文、DF菅沼駿哉、MF大塚翔平、MF登里享平、FW工藤壮人、FW富山貴光の7選手が今大会初先発だった。當間にいたっては不慣れなボランチだった。システムは4-5-1でDFラインは右から鎌田翔雅、菅沼駿哉、鈴木大輔、比嘉 祐介。ボランチは山村和也と本来はSBの當間建文が組み、2列目は右から大塚翔平、工藤壮人、登里享平が入った。1トップは富山貴光が務めた。

 主力を温存させたとはいえ、実力的に負けることは考えにくかった。だが、初先発選手ばかりで正直、不安な面もあった。そんな状況の中でまずは登里が、所属の川崎Fを指揮していた恩師・関塚隆監督の起用に応えた形だ。そして、その他の選手たちも先発奪取をアピールしようと奮起した。

 後半34分には富山貴光がドリブル突破でPKを得て、それを自ら決めて3-0とするなど結果を残した。GKとの1対1まで持ち込み、GKに倒されたため、退場に追いやるという“付加価値”ももたらした。

 「GKもかわそうと思ったんですが、完全に手がかかったので倒れるしかなかったです」とゴールを振り返ったあと、「1年間、下半身の強化に力を入れてきてその成果が少し出せたかなと思いますが、まだまだこのチームでレギュラーじゃないのでもっと頑張ります」と先発奪取への意地がこめられたゴールだったと明かした。

 総力戦での3連勝も頼もしいが、3試合無失点に終わったことも評価できる。この日、メンバーを入れ替えたことで、20選手全員が試合に出ることができた。決定力にまだまだ課題を残すが、長丁場の大会を考えると、この予選での戦いは、今後にプラスになったといえるだろう。決勝トーナメント1回戦は16日で、グループD3位のインドと対戦する。インドも決して強敵はない。“ヤングサムライ”はこのままチーム一丸で勝ち続ける。

[写真]キルギス戦に挑んだU-21日本代表スタメン選手たち。控え組の“レッテル”をはがすべく奮闘した

(文 近藤安弘)

第16回アジア競技大会特設

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