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川崎Fは優勝が消滅。天皇杯でタイトル狙う

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[11.14 J1第30節 川崎F1-2鹿島 等々力]

 川崎フロンターレは鹿島に1-2逆転負けを喫し、優勝が消滅した。この日、首位の名古屋が勝ち点を63に伸ばし、同49の川崎Fとの差が14に。これで残り4試合では逆転が不可能となった。

 MF田坂祐介を負傷で、DF小宮山尊信を出場停止で欠いたが、立ち上がりは上々だった。前半20分、FW矢島卓郎のシュートはクロスバーを叩いたが、MFヴィトール・ジュニオールが押し込んで、7試合ぶりの今季6ゴール目を決めて先制に成功した。しかし前半38分にセットプレーからMF中田浩二に同点弾を許すと、さらに不運が起きた。

 前半途中、守護神の相澤貴志が接触プレーで脳震盪を起こしたため、後半開始から今季初のリーグ戦出場となる杉山力裕がゴールマウスを守った。これが結果的に敗戦につながってしまった。

 後半17分、鹿島MF小笠原満男に逆転ゴールを決めらたが、実はシュートではなく、スルーパスがそのまま入ったもの。鹿島MF野沢拓也が小笠原のパスに抜け出したが、これを飛び出した杉山がDF森勇介や野沢とかぶり、そのままゴールインさせるというミスを喫した。

 川崎Fは後半21分にMF稲本潤一に代えてMF谷口博之、MF楠神順平に代えてFW小林悠と、一気に2枚の交代カードを切って追い上げを狙ったが、鹿島の鉄壁守備陣に跳ね返された。

 等々力では10年ぶりの鹿島戦敗戦となったが、川崎Fによると高畠勉監督は「前半、幸先良く狙い通りの形で得点を奪えたんですが、やはり90分を通して試合巧者の鹿島さんに、ちょっとしたところの隙に付け入られてしまい敗戦してしまったかなという感じです」と振り返った。

 リーグ優勝が消滅し、会見では今季を振り返るような質問も出された。指揮官は「優勝争いから遠ざかった理由? 今シーズン始まって怪我人が出たり、移籍があったりという所なんですが、そのなかで選手たちが本当チャンスをものにして、成長してくれている選手もいますし、チーム力はそれほど落とさずに成長できたかなと思います」と一定の評価をしつつも、「ただ夏場の試合ですとか、苦しいゲームではあったんですが、引き分けで終わった試合は、勝ちに転がせられるゲームが何試合かありましたし、そういった所を勝ちにしていかなければならない」と選手に勝負強さ、タフさを求めた。

 今後はACL出場を目指して3位以内か、天皇杯制覇を目指す。とはいえ、3位のG大阪とは勝ち点4差と開いた。今後も負けられない試合が続く。指揮官は「なんとかACLに出場できるようにしたいと思います。また、中2日で天皇杯があるので、気持ちを切り替えて、唯一タイトルの可能性のある大会なので、しっかりと正月に国立の舞台に立てるようにしたい」と気持ちを切り替えていた。

(文 近藤安弘)

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