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玉田弾で名古屋が初優勝!!采配ズバリのピクシーがガッツポーズ!

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[11.20 J1第31節 湘南0-1名古屋 平塚]

 名古屋が悲願の初戴冠! J1第31節は20日、各地で9試合を行い、平塚競技場ではJ2降格の決まった最下位湘南ベルマーレと首位名古屋グランパスが対戦。勝って鹿島が引き分け以下なら優勝の決まる名古屋は、後半21分にFW玉田圭司が先制点を決め、そのまま1-0で逃げ切った。一方、鹿島はアウェーで神戸と0-0のドロー。この結果、名古屋と鹿島の勝ち点差は10に開き、3試合を残して名古屋の初優勝が決まった。

 MF坂本紘司、DF島村毅が出場停止の湘南は4試合ぶりに先発復帰したMFハン・グギョンがアンカーに入り、3試合ぶり先発のMF寺川能人、21試合ぶり先発のMF永田亮太と3ボランチを形成した。
 名古屋はDF田中マルクス闘莉王、MF金崎夢生、MFブルザノビッチが負傷欠場したが、FWケネディが出場停止から先発に復帰。前線の3トップは右から小川佳純、ケネディ、玉田圭司と並んだ。
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 名古屋の優勝の条件は自分たちが勝った上で鹿島が引き分け以下に終わること。まずは目の前の相手を倒して鹿島の結果を待とうと、立ち上がりから積極的に相手ゴール前に攻め込んだ。

 前半6分、相手のミスからケネディが決定機を迎えると、同9分にはケネディのスルーパスから小川が右サイドを抜け出し、ゴール前にクロス。GKの弾いたボールをMFマギヌンがPA外からループシュートで狙ったが、ゴール上に浮いた。

 立ち上がりのピンチをしのいだ湘南はここから巻き返す。自分たちのホームで優勝を決めさせたくない。前半10分、FW田原豊のポストプレーからFW阿部吉朗が左サイドを突破。カットインから右足を振り抜いたが、惜しくもゴール右にそれる。同14分には中央でフリーになった田原が左足でミドルシュート。これはGKの正面に飛んだが、積極的にシュートを狙い、名古屋ゴールを脅かした。

 前半18分にはFKを短くつなぎ、阿部が右足で弾丸ミドルを放つが、GK楢崎正剛が好セーブ。同19分、永田のミドルシュートも楢崎がなんとかかき出したが、名古屋からすればヒヤリとする場面が続いた。

 名古屋は前半27分、玉田のボールキープからMF中村直志が右足でミドルシュートを狙うも、わずかにゴール上へ。相手守備陣を崩してゴール前に迫る回数が減り、攻めあぐねる時間が続いた。湘南も徐々にペースダウンし、前半終盤は一進一退の攻防に。互いに決定機をつくれないまま前半は0-0で折り返した。

 後半4分、名古屋は玉田のラストパスからマギヌンが左足で狙うもGK都築龍太が弾く。逆に湘南は同11分、PA内でパスを受けた寺川がクロスバー直撃のループシュート。冷や汗をかいた名古屋はなかなか攻撃にリズムが生まれず、思うようにチャンスをつくれない。

 しびれを切らしたストイコビッチ監督は後半18分、小川に代えてFW杉本恵太を投入。すると、この交代策がずばり的中する。直後の同21分、DF阿部翔平からの大きなサイドチェンジを受けた杉本が右サイドを縦に突破し、ゴール前にクロス。これに飛び込んだのが玉田だ。下に叩き付けるヘディングシュートでついにゴールネットを揺らした。

 この時点で神戸対鹿島は0-0のまま動いていない。このまま試合が終われば名古屋の優勝が決まる。玉田の今季12点目が、優勝を大きく引き寄せる価値ある先制弾となった。

 後半23分にはPA内に切れ込んだ杉本のシュートがGKの手を弾いてゴールポストを直撃。1点が入ったことで選手の硬さも取れ、動きが軽くなった。積極的に追加点を狙い、相手ゴールに迫る名古屋。同29分にはMFダニルソンが左足ミドルを放つも、ゴール右に外れた。

 湘南は後半25分にMF馬場賢治、同29分にDF鈴木伸貴、同34分にMF中村祐也と立て続けに3枚の交代枠を使い切り、必死の反撃を試みる。しかし、同33分の永田のシュートはDF増川隆洋が体を張ってブロックした。

 名古屋は後半31分からマギヌンに代えてMF三都主アレサンドロを2列目に投入し、ダニルソンと中村のダブルボランチに変更して中盤の守備を強化。逃げ切り態勢に入った。

 ロスタイムは3分。鹿島の試合は依然、0-0だ。初優勝へカウントダウンに入る中、名古屋は玉田に代えてDF竹内彬をピッチに送り込み、DFの枚数を増やした。湘南は後半47分、中村の横パスからエメルソンが右足で強烈なミドルシュートを放つが、ゴール上へ。名古屋サポーターから安どのため息が漏れた。

 先に試合が終わったのは鹿島だった。0-0のスコアレスドロー。このまま逃げ切れば、優勝が決まる。この知らせの入ったベンチのスタッフ、選手は総立ちで試合の行方は見守る。そしてGK楢崎が大きくボールを蹴った瞬間、試合終了のホイッスル。名古屋の初優勝が決まった。

 ベンチを飛び出した控え選手たちがピッチ上で選手に抱きつき、次々と歓喜の輪が広がる中、ストイコビッチ監督はメインスタンドに向かって両手を広げて大きくガッツポーズ。名古屋が、ついにJリーグの頂点に立った。

(取材・文 西山紘平)

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