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就任4年目で初のV逸…オリヴェイラ監督がサポーターの前で天皇杯制覇を約束

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[11.28 J1第33節 鹿島2-1京都 カシマ]

 指揮官の熱い言葉がスタジアムに響き渡った。ホーム最終戦となった鹿島アントラーズの試合後のセレモニー。サポーターへの挨拶のためマイクの前に立ったオズワルド・オリヴェイラ監督は「(就任)4年目にして初めて、ホーム最終戦でタイトルを取れずに挨拶することになった」と第一声をあげた。

 「最大の努力はした。シーズンを通して全員の力を合わせてやってきた。もしかしたら運命的な部分で今シーズンはお預けとなったのかもしれない」。前人未到の4連覇を逃した今季をそう振り返ると、自分たちが33試合で残した“成果”を力説した。

 「我々はリーグにおいて最少失点のチーム(C大阪と並んで30失点)、得失点差でも一番いい数字を残している(この日4点を取って「+22」としたC大阪に次ぐ「+20」)。負けの数も一番少ない(6敗)。チーム全員で取り組んできた証拠が、この数字に表れている。ひとつひとつの勝利のために選手全員が一瞬たりともあきらめず、最後まで戦ってきた数字ではないかと思う」

 33節終了時点で16勝11分6敗、50得点30失点。3連覇を成し遂げた昨季は20勝6分8敗、51得点30失点だった。1試合を残した時点だが、得点も失点もほとんど変わらない。むしろ負け数は少ない。しかし、あと一歩で勝ち切れず、引き分け数が昨季の6から11に増えたことが、“V逸”の最大の要因だった。

 「まだタイトルはひとつ残っている!」。力拳を握り、指揮官は大声を張り上げた。「12月25日、全力を尽くして、天皇杯を取りに行く。今年のラストチャンス。(リーグ最終節後に)3週間の準備期間がある。選手、スタッフ全員で、その準備に取り組みたい。皆さんも同じ気持ちでスタジアムに戦いに来てほしい」。身振り手振りをまじえ、サポーターに向かって熱弁を振るうと、スタジアムからは割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。

 ACL出場権獲得の懸かった12月4日の最終節・山形戦。そして12月25日の天皇杯準々決勝では、ホームのカシマスタジアムにリーグ王者の名古屋を迎え撃つ。史上初の3連覇を成し遂げたディフェンディングチャンピオンの意地と誇りに懸け、全力で最後のタイトルを取りに行く。

(取材・文 西山紘平)

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