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湘南はJ1ワーストタイの20戦未勝利。来季は10-15選手の入れ替えも

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[11.28 J1第33節 湘南0-4C大阪 平塚]

 昨年はJ2で互角以上の戦いを見せていたC大阪に、湘南ベルマーレはまさかの4-0完敗を喫した。昨季は2勝1敗だったが、今年は2連敗……。この1年でできた差をはっきりと写す試合内容で7連敗となった湘南は、20試合連続勝利なし(4分16敗)となり、2007年の横浜FCが樹立したJ1ワースト記録に並んでしまった。

 「ゲームは見ての通りなのであまりコメントすることはありません。電光掲示板はJ1でも上位に入るものではないかなと思っています。C大阪と差? 昨年も試合内容から言うと、勝点ではさほど差はなかったが、多少差があると感じていた。今年に入ってバージョンアップしたチームと、バージョンアップできず逆に言うとダウンしてしまったチームとの差があったのかなと感じてます」

 試合後の会見。反町康治監督は苦笑いを浮かべるしかなかった。前半こそ0-0で耐えたが、後半8分に失点し、以降12分間で0-3に。終盤にはオウンゴールを犯した。負けることに慣れているのでは? ときつい質問も出たが「正直あると思います。特に失点してしまうとみんな下を向いてしまう。そういう話もしているが、人間ですから……」と、お手上げな表情を見せた。

 クラブ側からは来季の続投要請を受けている。この日の会見では「この結果で続投しますと偉そうに言う根性は私にはありません、が、ひとつ言えるのは、当然責任は痛感していますし、いろいろ考えるところはありますが、責任をどう取るかというところ。自問自答しながら、クラブとも話をしながら、最終的には決めたい」と悩める心境を明かした。

 とはいえ関係者によると、反町監督は来季の続投に前向きな姿勢も見せているという。クラブ側も資金が乏しいため、同様の年俸で、反町監督以上の指導力を招聘する力はなく、残留を強く望んでいる。すでに選手の見極めにも着手している模様。クラブはJ2降格で予算規模が減るため、今季からは10から15選手が退団、入れ替えを行うという情報もある。

 「続けることは非常にいばらの道になることもありますし、しっかり考えないといけない。J1に行ったからこそ見えてきたものは、もしかしたら中途半端というか、何とか残留できましたという成績で終わるよりも、打ちのめされたほうが、いったんチームを破壊してさらの状態からの方が再構築しやすいのではないかと感じているところも正直ある」

 この屈辱は必ず返す。口にはしなかったが、そんな思いが指揮官にはあるはずだ。落としたからには、J1に上げるという責任の取り方もある。一からではなくゼロからチームを作り直し、次は“J1で戦うチーム”ではなく“J1で勝つチーム”を作るつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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