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[MOM368]横浜FMユースMF松本翔(3年)_小さなテクニシャンが大一番で3発

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[12.19 Jユースカップ準々決勝 横浜FMユース 5-3 広島ユース 長居2]

 最後の最後まで才能を発揮し続けた。サンフレッチェ広島ユースとの5-3という壮絶な打ち合いの中、横浜F・マリノスユースのMF松本翔が重要な3点をたたき込む活躍でチームを勝利に導いた。

 1点目は先制点だった。右サイドからドリブルで切れ込んで得たPKを自ら決めてチームに勢いを与えた。2点目は2点のリードを逆転された後半の81分、ゴール正面やや左寄りの位置から直接FK。「あの位置なら壁の上を通してニアサイドというのが得意だけど、一発目にフェイントをかけたらGKがかなり警戒しているのが分かったので、(壁の横を通して)ファーサイドに蹴った」という一発は、チームを救う同点弾となった。

 そして、最後の一発は、延長戦のアディショナルタイム。高い位置で相手のパスをカットしたMF熊谷アンドリューからパスを受けると、右足のジャンピングボレーでダメ押し点を決めて勝敗を決定付けた。「リードしても広島が食らいついてくるのは分かっていた。個人的に1試合で1点、2点というのが多かったので、最後まで狙っていた。自分が得点した時は負けていないし、チームの勢いの土台になればいい」と、準決勝以降も自らの得点で勝ち上がる意気込みを示した。

 夏の時点ではトップ昇格は見送られる方針だったが、別のチームでも良いからとにかく高卒でプロになりたいという強いプロ志望の姿勢が実り、高円宮杯での活躍が認められて来季のトップ昇格を決めた。身長162cmの小さなテクニシャンは「最初は『昇格は難しいだろう』と言われて悔しかったけど、少しでも可能性があるならばと思ってアピールしてきた。もう1回チャンスがあるとは思っていなかったけど、昇格につながって嬉しい」と喜ぶが、真の歓喜はもう少し先にある。「優勝して僕たちの、(松橋力蔵)監督のスタイルが正しいことを証明したい」――まずは、ユース年代最後の一冠にすべてをかける。

(取材・文 平野貴也)
Jユースカップ2010

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