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[大学選手権]筑波大は劇的同点弾の末、PK戦ものにして関東勢唯一の4強進出!!

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[12.23 全日本大学選手権準々決勝 筑波大2-2(PK3-1)浜松大 平塚]

 第59回全日本大学サッカー選手権は23日、準々決勝を行った。平塚競技場で行われた第2試合では筑波大(関東2)が後半ロスタイムにFW赤崎秀平(1年)のゴールで追いつき、2-2でもつれ込んだPK戦の末に浜松大(東海1)に勝利。関東勢唯一の4強入りを果たした。

 まさに劇的な勝利だった。1-2で迎えた後半ロスタイムの表示は3分、このワンプレーで試合は終わりかと思われたときだった。左サイドで赤崎がMF森谷賢太郎(4年、横浜FM入団内定)とのワンツーから相手DFを上手く交わして、左足を一閃。ゴールネットを揺らした。劇的ゴールに、普段は冷静な風間八宏監督もピッチ脇へ飛び出し、ガッツポーズ。筑波大が一気に流れを引き寄せ、試合は延長戦へもつれ込んだ。

 延長戦でも決着はつかず、PK戦へ。先攻の浜松大は、プレッシャーから3人が枠外へ外す中、筑波大は2人目のキッカーであるMF小澤司(4年)のシュートがクロスバーを叩くも、残る全員がしっかりと決めて3-1。筑波大が執念で勝利をもぎとった。

 終わってみれば、シュート数では浜松大が5本、筑波大が21本と圧倒的に上回ったが「一番そこでやられたくない時間帯、そこしかないという場所でやられてしまった」と小澤が話したように、数少ないチャンスをものにされ、常にリードされる苦しい戦いを強いられた。

 前半32分、左サイドを崩されドリブル突破を許すと浜松大のMF神谷嶺輔(3年)に角度がない位置から豪快に左サイドネットを揺らす先制点を奪われた。

 0-1で迎えた後半には、ボランチで出場していたMF谷口彰悟(1年)に代えて、FW瀬沼優司(2年)を投入。赤崎の1トップから瀬沼との2トップに変更してゴールを狙った。そして、後半9分にはMF八反田康平(3年)からパスを受けた赤崎がゴールを決めて1-1に追いついた。そこから筑波の反撃が始まるかと思われたが、1点が遠い。PA内まで攻め込むもののフィニッシュまでが持ち込めない。

 すると同30分、またもや一瞬の隙をつかれ、カウンターから左サイドを崩されるとFW大石明日希(1年)にシュート打たれた。これをGK三浦雄也(3年)が弾くも、こぼれ球をFW村松知輝(2年)に詰められて、再びリードを許してしまった。

 その後もなかなかシュートが打てず、もどかしい時間が続いたが、森谷や八反田が中盤で必死にボールを追いかけ、つなぎ続けた。そして、その諦めない姿勢が終了間際の赤崎の劇的同点弾へつながった。 

 試合後、風間監督は「勝つことに向って最後まで諦めないという姿勢をみせてくれた」と選手たちを称えながらも「負けたら終わりという試合で慎重になっている部分がある。まだ思い切りよくできていない」と準決勝へ向けての課題を挙げた。

 26日の準決勝では08年大会以来の決勝進出を懸けて、関西大(関西2)と対戦する。試合後にDF不老祐介(2年)が「1回戦も2回戦も試合内容は良くなかったので、次は筑波らしい“いいサッカー”をしたい」と話したように、風間監督の「勝つことを意識しながらも見ている人が楽しいサッカー」で日本一の座をめざしていく。

[写真]中盤で攻守に渡り奮闘をみせた森谷(左)

(取材・文 片岡涼)
第59回大学選手権特集

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