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[大学選手権]川崎F入りの関西大・田中雄「国立で負けるイメージはない」

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 筑波大1-2関西大 平塚]

 42年ぶりの決勝進出を決めた関西大。しかし、来季の川崎フロンターレ入団が内定しているDF田中雄大(4年)は試合後、「1試合を通して何もしてない。申し訳ない」と反省ばかりが続いた。

 「良くなかった」と振り返った前半は、持ち前の攻撃力を発揮することはできず、低い位置で守備に時間を割くことが多かった。そして、前半37分には痛恨の失点。後半からは「前にいって得点に絡もうとしたら逆に守備が手薄になった」と本領発揮とはいかなかった。

 しかし、来月5日に行われる決勝の舞台へ向けては「勝ちしかないです」とキッパリ。野洲高時代の3年生時に選手権を制覇し、これまで国立で無敗の男は「国立で負けたことはないし、負けているイメージもない」と力強く言い切った。

 今大会には、来季の川崎F入りが内定している選手が駒澤大のFW棗佑喜(4年)、高知大のDF實藤友紀(4年)と田中の3人が出場していた。しかし、駒澤大は準々決勝で敗退。高知大は、この日行われた準決勝で姿を消した。唯一、11年川崎F入団の大卒組で、優勝に届く位置にきたのは田中だけとなった。

 奇しくも棗の擁する駒澤大は、今夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントを制し、日本一に輝いた。そして、實藤はU-21日本代表として出場したアジア競技大会で、優勝を飾った。唯一、田中だけが来季入団組で“金メダル”を手にしていない。

 1人だけ無冠でのJ入りは悔しいところもあるはずだ。敗退した未来の仲間の想いも胸に、田中は関西大を43年ぶりの優勝へ導いていく。

(取材・文 片岡涼)
第59回大学選手権特集

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