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1ヵ月ぶり復帰の本山が絶妙パスで決勝点演出

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[12.29 天皇杯準決勝 鹿島2-1(延長)F東京 国立]

 背番号10の右足から放たれた芸術的なパスが試合を決めた。延長後半ロスタイムのラストプレー。鹿島アントラーズは左サイドのDF宮崎智彦からFW佐々木竜太へつなぎ、PA手前のMF本山雅志にボールが入った。

 「シュートを打とうかと思ってボールを持ち出したけど、サコ(大迫)がいい走りをしていたので、通るかなと。イバ(新井場)も(右サイドに)いたけど、その裏をサコが走っていたので」

 FW大迫勇也の飛び出しを見逃さず、右足でフワリと浮かした絶妙なスルーパスをゴール前に通した。大迫がトラップから横に流し、最後はFW興梠慎三が決勝点。数的不利に立ち、何とかPK戦に持ち込もうと守りを固めるF東京守備陣を1本のパスで切り裂いた。

 リーグ終盤は古傷の右足の治療に専念し、4連覇の可能性が消滅したラスト3試合を欠場した。しかし、3位以内死守を目指したチームは4位終戦。ACL出場権も懸かる最後のタイトルとなった天皇杯に照準を合わせ、調整してきた。

 25日の準々決勝・名古屋戦(2-1)はベンチ入りしたものの出番はなかったが、この日は0-1の後半16分から11月20日の神戸戦以来となるピッチへ。大迫がサイドに回り、本山がトップ下に入る4-2-3-1にシステムも変更。バイタルエリアで起点となった本山が攻撃のリズムを変え、逆転勝利に導いた。

 「相手は高い位置を取っているボランチがいたので、CBとボランチの間を狙うことを考えていた。みんなゴールを目指していたし、それが最後にいい形で出た。勝ちたいという意識と、ゴールに向かう姿勢がゴールにつながった」

 右足の状態は万全ではない。それでもやはり本山の存在感は際立っている。清水との決勝もスーパーサブとして期待される部分は大きい。「ACLもそうだけど、タイトルを取りたいので。勝ちます」。力強くV宣言した本山が、元日決戦のカギを握っている。

[写真]鹿島MF本山

(取材・文 西山紘平)

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