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平山ミラクルオーバーヘッド弾も……。国立での不敗神話途切れる

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[12.29 天皇杯準決勝 鹿島2-1(延長)F東京 国立]

 怪物のミラクルゴールも、勝利にはつながらなかった。FC東京のFW平山相太は前半39分、左からのクロスに何とオーバーヘッドキックを繰り出す。それも利き足とは逆の左足でゴールネットを揺らした。「イチ、ニッ、サンで打ったら、いいGKなので、タイミングを外そうと思って左足で打った。入ってくれてよかった」と自我自賛する一撃で25日の福岡戦に続くゴールを決めたが、その後は運がなかった。

 後半14分には右からの絶妙クロスに飛び込み、持ち味のヘディングシュートを放ったが、GKの正面を突いてしまった。さらに後半42分には左からのクロスに再び頭を合わせたが、今度は枠を外してしまった。後半から元日本代表MF中田浩二がCBに入り、マークに付かれたが、封じられるシーンが多くなった。

 「PKまで持ち込みたかった。一人減ってしまっても、グラウンドは広いままなので、負担が大きかった。でも、PKに持ち込めるような力をつけないといけない。体的にはきつかったけど、勝ってもう1試合やりたかった」

 エースとして結果を出したが、クラブ史上初の決勝進出は果たせなかった。チームは来季はJ2で戦うだけに、天皇杯を制してACLという“表舞台”で戦うことを目標にしていたが、目前で逃した。そのうえ不敗神話も止まった。これまで国立では国見高時代を含め通算13戦19得点で不敗だったが、記念すべき20得点目を決めたこの日、ついにストップされた。

 「心身ともにリフレッシュして来季、頑張りたい」と平山。来季は自身初となるJ2での戦いが待っている。大熊清監督からは引き続きエースとして期待されており、大車輪の活躍が求められる。この日決めたゴールは、怪物の名にふさわしいもので、実力はある。あとはチームを引っ張るキャプテンシーが求められる。来季こそ名実ともに真のエースに君臨し、サポーターに歓喜を届ける。

[写真]先制点を決めるF東京FW平山

(取材・文 近藤安弘)

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