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[選手権]尚志、自慢のパスワークで佐賀北に勝利

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[12.31 全国高校選手権1回戦 尚志 2-0 佐賀北]

 第89回全国高校サッカー選手権大会は31日、各地で1回戦が行われ、NACK5スタジアム大宮(埼玉)の第1試合では尚志(福島)が佐賀北(佐賀)を2ー0で下した。

 出足が鋭かったのは佐賀北。「うちはエンジンがかかるのが遅い」と仲村浩二監督が苦笑する尚志は、前線からプレッシャーをかけてくる相手に押し込まれた。

 しかし、序盤の10分間を凌いだ尚志は、仲村監督が「立ち上がりの5~10分で失点しなければ、うちのペースになる」と胸を張ったように徐々に盛り返していき、佐賀北から主導権を奪回。指揮官が「チームの心臓」と評するキャプテンのMF平野伊吹主将(3年)を中心としたボール回しでポゼッションを高め、ゴール前に迫る回数を増やしていった。

 均衡が破れたのは36分。平野が左サイドのMF湯浅秀紀(3年)にボールを送ると、湯浅はマイナス気味のクロスを中央へ。「DFとかぶっていて混戦だったので来るかなと。抜けて来たら自分が打とうと思っていた」と狙い通りにパスを受けたMF川辺祥太(3年)が右足を振り抜き、尚志が先制点を奪った。

 これで尚志の勢いは加速した。司令塔の平野を起点に、サイドから佐賀北の守備陣を切り崩しにかかると、後半22分に追加点を奪う。ここまで何度もゲームを作ってきた平野が決定的なパスを出すと、FW鈴木拓磨(3年)がフィニッシュ。一度はGKに阻まれたものの、逆サイドにこぼれたところにエースFW渡部圭祐(3年)が詰めた。

「1人では決められないので、必ずファーサイドに詰めることを練習から徹底していた」(仲村監督)という、まさに練習どおりの形から生まれたゴールが勝負を決定づけた。

 2点のビハインドを追った佐賀北は前線の枚数を増やして攻勢を強めた。後半ロスタイムには途中出場のFW川上従道(3年)がGKと1対1のビッグチャンスを迎えたが、これを決められず。結局、佐賀北は最後までゴールを割ることができずに初戦で涙を飲むこととなった。

(取材・文 FBN)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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