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[選手権]素走りで得た運動量武器に那覇西が水橋に逆転勝利!!

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[1.2 全国高校選手権2回戦 水橋1-2那覇西 等々力]

 第89回全国高校サッカー選手権の2回戦が2日に各地で行われた。神奈川・等々力陸上競技場の第2試合では、水橋(富山)と那覇西(沖縄)が対戦した。那覇西が先制するも逆転に成功。2-1で勝利し、3回戦へ駒を進めた。明日3日に行われる3回戦では久御山(京都)と対戦する。

 那覇西の過酷なトレーニングの成果が実った。本大会予選・県大会決勝の具志川高戦では3-1で勝利したものの、足をつる選手が続出。これを受けて始まった大会直前のトレーニングは、過酷そのものだった。3600mを15分以内で走るというトレーニングをほぼ毎日3セット行ってきていたのだ。この日はチームの堅守を支えていたDF米沢賢吾(3年)が風邪のため欠場。会場にも来られずにホテルで待機するという不運もあったが、運動量を武器にした守備で相手の攻撃をしのぎきり、勝利を手にした。

 試合はいきなり動いた。開始わずか1分、先制点は水橋に奪われた。FW藤井直樹(3年)からのボールを受けたMF細岡耕樹(3年)がPA外左から左足を一閃。ゴールネットを揺らした。

 あっという間の失点に那覇西はすぐに手を打つ。CBとして先発していたDF新垣昂平(3年)を左SBへ、左SBを務めていたDF仲宗根良太(3年)をCBへと変更。この交代がハマった。状況は変わらずに攻め込まれる場面が続いたが、守備陣がしっかりと耐え切り、あと一歩のところでチャンスを作らせない。

 すると同13分、MF宮城晃太(2年)からのアシストを右サイドで受けたMF山元博公(3年)が自らドリブルで持ち込み、最後は右足で同点弾を決めた。

 1-1で前半を折り返し、迎えた後半。那覇西は「バイタルエリアの部分でやられないように」と4-5-1から4-1-4-1へシステムを変更。水橋のMF山元章寛(3年)が自由にボールを持たないように封じ込めた。アンカーを置くことで中央で自由に展開される場面もなくなり、逆に自分たちの時間を作り出す。

 すると後半33分、山元のパスにPA手前右へ抜け出した宮城がヒールで流すと、最後はMF新垣航平(2年)がワントラップから豪快に左足で逆転弾を決めた。終わってみれば水橋が13本、那覇西が6本とシュート数では大きく上回られたものの、なんとか最小失点でしのぎ切り勝利を手に入れた。

 試合後、那覇西の松田邦貴監督は「攻守に渡って、みんなが耐えて頑張ったこと」と勝因を分析。3回戦の久御山戦へ向けては「やりきるしかない。でも今日の終わりもバタバタしていたし相手がどこでも厳しいんじゃないか」と弱冠の弱音も覗かせた。

 弱音も見せたが、チームは全国出場が決まってからここまで「(勝てば)連戦となる2日が勝負」と、しっかりと準備をしてきた。大会前の走り込みも勝ち進んだ場合の連戦を想定したものなのは間違いない。まずは明日3日の久御山戦に勝利し、今夏の全国総体の実績である16強を超える8強進出を果たしたい。

(取材・文 片岡涼)
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
【特設】高校選手権2010

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