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[選手権]久御山が4発決めて那覇西下す、初の8強進出!!

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[1.3 全国高校選手権3回戦 那覇西1-4久御山 ニッパ球]

 第89回全国高校サッカー選手権の3回戦が3日に各地で行われた。神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場では那覇西(沖縄)と久御山(京都)が対戦。久御山が4-1で勝利し、初の8強に進出した。

 久御山は2回戦とメンバーもシステムも変えず、試合へ臨んだ。一方、那覇西は前日の水橋戦を風邪の影響で欠場したDF米澤賢吾(3年)が先発に復帰。システムも2回戦では後半から採用していた4-1-4-1を立ち上がりから敷いた。

 まずは久御山が相手の出鼻をくじいた。前半7分、DF山田修市(3年)の浮き球のパスにMF足立拓眞(3年)が頭で合わせて幸先よく先制点を決めた。

 その後は那覇西が攻め込み、同20分過ぎからはDF山内悠(2年)が幾度もオーバーラップからチャンスをつくる。同24分にはドリブル突破を仕掛けたFW儀間貴斗(3年)がPA手前左で倒され、FKを獲得。これをDF仲宗根良太(3年)がグラウンダーで狙う。枠を捉えたが惜しくもGK正面で追いつくことはできない。そのまま前半は終了し、久御山が1点リードで後半を迎えた。

 後半立ち上がりと同時にメンバーを変更したのは那覇西。1トップを務めていた儀間に代えてMF高野凌(3年)を投入し、MF山元博公を前線へ上げた。

 しかし後半9分、那覇西のプランを打ち崩すべく、久御山が果敢に攻め込む。足立やMF林祥太(2年)がしっかりとボールキープし、ポゼッションで圧倒。相手にボールを渡さない。

 すると、しびれを切らして前にボールを奪いに出てきた一瞬の隙をつき、久御山が追加点を決めた。林からのパスを受けた山田がドリブルで持ち込み、PA外左から強烈なミドルシュート。右足で蹴り込んだボールは大きくゴールネットを揺らした。

 2失点した那覇西は1点を奪うために後半22分、FW當銘隆憲(3年)をピッチへ送る。しかし、ハーフタイムには「ラスト20分が勝負」と指揮官からの言葉があったはずが、逆に失点を重ねてしまった。

 同34分には、久御山が右サイドから展開。最後はFW坂本樹是(3年)がドリブル突破から自ら左足でシュートを打ち、ダメ押しの3点目を奪った。さらに終了間際のロスタイム3分には、足立が左足で狙いすましたゴールを決め、この日2得点目を達成。直後に那覇西の仲宗根にこぼれ球につめられ、1失点を喫したが、終わってみれば4-1と久御山が快勝した。

 試合後、久御山の松本悟監督は上機嫌。「身体能力が高い選手が毎年いるわけではない。そのためにはボールを持たないと」とポゼッションで上回ったことを勝因に挙げ、さらには「(ボールを)持てる方が女の子にモテるかもしれないしね」と笑顔でジョークまで飛び出した。

 この勝利で久御山は、初の8強進出を果たした。選手たちからは口々に「全国制覇」と目標が挙がった。次戦は中1日で行われ、久御山は関西大一(大阪)と対戦する。まずは確実な勝利を手に入れ、4強進出を果たしたい。
 
(写真協力 『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 片岡涼)
【特設】高校選手権2010

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