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[選手権]決勝は関西勢対決!滝川二がPK戦制し久御山との決勝へ

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 第89回全国高校サッカー選手権は8日、東京・国立競技場で準決勝を行った。第1試合では07年度優勝の流通経済大柏(千葉)と初めて準決勝へ進出した久御山(京都)が対戦。2-2からのPK戦の末、久御山が3-2で勝利し、初の決勝進出を果たした。また第2試合では、立正大淞南(島根)と滝川二(兵庫)が対戦。どちらが勝っても初の決勝進出となる一戦は0-0でもつれ込んだPK戦の末、7-6で滝川二が勝利した。10日の決勝(国立)ではともに初優勝をかけて、久御山と滝川二が激突する。

 第2試合では、今大会15得点の滝川二と同12得点の立正大淞南という破壊力のある両チームの対戦となった。序盤は滝川二が主導権を握った。前半19分、浮き球のパスを受けたFW樋口寛規(3年)がPA内、ゴール正面で胸トラップ。落としたボールをMF香川勇気(3年)がダイレクトで狙うがGK三山大輝(3年)が左手一本ではじき出す。
 滝川二はその後も樋口とFW浜口孝太主将(3年)が前線で好機を演出。38分には浜口主将の左クロスにファーサイドで樋口が頭で合わせたが、またもや相手GKに好守に阻まれた。

 0-0で突入した後半は、立正大淞南が見せ場をつくった。後半9分、ショートパスをつなぐと最後はFW池田拓生(3年)がPA内右からシュート。13分にはMF小田悠太(3年)の左クロスからFW加藤大樹(3年)が右足でゴールを狙う。

 ただ立て続けに訪れたチャンスを逃すと、流れは滝川二へ傾いた。19分、MF谷口智紀(3年)がポスト左を叩く強烈な一撃。さらに27分にはゴール前の混戦から最後は浜口主将がゴール至近距離から決定的なシュートを放つが、立正大淞南の身体を張った守りの前に得点できなかった。

 その後は互いに攻撃の応酬。ビッグチャンスをつくりあう。そして43分には立正大淞南がこの日、最大のチャンスを迎えた。池田のスルーパスで左サイドへ抜け出した加藤がGKを交わし、無人のゴールへ押し込もうとしたが、ボールはポスト左へ外れていった。スコアが動かないまま90分は過ぎ、ロスタイム表示は4分。それでも決着はつかず、試合はPK戦へもつれ込んだ。

 互いに1人ずつ外して迎えた7人目。先攻・滝川二のMF白岩涼(3年)の放ったボールは左ポストを叩いた。後攻の立正大淞南は決めれば勝利というところだったがMF稲葉修土(2年)のシュートを滝川二GK下出晃輔(3年)がストップ。互いが譲らなかった熱戦に決着がついたのは9人目だった。滝川二のDF島秀行(3年)が落ち着いてゴールネットへ沈めた一方、立正大淞南DF椎屋翼(3年)の狙ったシュートは、無情にもゴール左へ流れていった。その結果、7-6で滝川二が勝利。初の決勝進出を手に入れた。

 第1試合もPK戦決着の末、久御山がV候補筆頭の流経大柏を下し決勝進出を果たした。久御山CB山本大地主将(3年)が累積警告による出場停止で欠場したのに対し、流経大柏は新潟加入内定のCB増田繁人主将(3年)が前日に負傷し先発を外れた。ともチームリーダーを欠いた試合は序盤、流経大柏が押し込むが、1チャンスを生かした久御山が先制する。

 前半11分、久御山は縦パスで相手CBの背後をとったFW安川集治(3年)が右サイドからPAへ侵入。左足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。一方、前線からの厳しいプレッシングでボールを奪う流経大柏はMF宮本拓弥(2年)のキープ力を生かし、サイドを攻略するものの、威力と精度を欠いたシュートが相手ディフェンス陣に阻まれた。

 久御山はこの日キャプテンマークを巻くMF足立拓眞(3年)とMF二上浩一(2年)がゲームをコントロールし、左サイドから仕掛けるFW坂本樹是(3年)が相手の脅威となった。なかなか追いつくことのできない流経大柏は前半43分に左足小指骨折を抱えるエースMF吉田眞紀人(3年)を投入。さらに後半8分にMF杉山賢史(3年)をピッチへ送り出して反撃モードを加速させるとこのふたりが同点ゴールを生み出した。

 17分、流経大柏は右サイドでボールを持った吉田がキープしながら中央へ流れるとファーサイドからDFラインの背後へ飛び込んだ杉山へスルーパス。これを杉山が飛び出してきたGKの頭上を射抜く左足シュートを決めて同点に追いついた。

 一気に逆転を狙う流経大柏は吉田投入でスムーズになったパスワークを生かして相手ゴールへ押し寄せる。だが、逆に久御山は28分、右サイドからのサイドチェンジをファーサイドで受けた坂本が中央へ切れ込み右足シュート。DFに当たってコースが大きく変わった一撃はGKの頭上を越えてそのままゴールへと吸い込まれた。

 それでも流経大柏は試合終了2分前の43分、右サイドを縦に突いたMF進藤誠司(3年)が角度のない位置から右足シュートを突き刺し劇的な同点ゴール。PK戦へ持ち込む。

 執念の同点劇を演じた流経大柏だったが勝利の女神は久御山に微笑んだ。ともに1人目が相手GKの好セーブに阻まれて始まった波乱のPK戦は、久御山GK絹傘新(3年)が流経大柏の4人目、進藤のシュートをストップ。最後は流経大柏の5人目、FW田宮諒(3年)のシュートがゴール左ポストを叩き、3-2で勝った久御山が京都府勢18年ぶりとなる決勝進出を果たした。

[写真]劇的勝利に喜びを爆発する滝川二イレブン

【特設】高校選手権2010

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