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[選手権]負傷抱える滝川二エース樋口、初V&逆転得点王へ「最後まで出る」

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第89回
全国高校サッカー選手権


 逆転得点王と優勝の2冠へ、滝川二FW樋口寛規(3年)が決勝に強行出場する。駒場(東京)戦でのハットトリックなど、樋口は今大会6得点で立正大淞南MF加藤大樹(3年)を1点差で追う得点ランキング2位。だが右足内転筋と足首負傷を抱える樋口は、この日の決勝前日練習でも足を引きずっている状態だった。メンバーが西が丘サッカー場のピッチで楽しそうにボールを蹴っている一方、ほとんどボールに触らず、左足で軽くボールを蹴る程度だった。

 特に内転筋の痛みはひどい様子で「右足は強いボールを蹴るたびに痛い」という。それでも「あとひとつなんでやるだけ。ホンマ最後なんで。できなかったら迷惑をかける。行けるんだったら最後まで出る」と誓った。

 あすは日本一を懸けた決勝だが、決勝との相性はよくはない。10年は選手権兵庫県予選決勝の報徳学園戦、全国高校総体決勝の市立船橋(千葉)戦、全国総体兵庫県予選決勝の神戸弘陵戦といずれもゴールはゼロ。パートナーのFW浜口孝太主将(3年)が計5ゴール決めている“決勝男”なのに対し、樋口は計18本のシュートを放ちながらゴールに見放されている。

 本人も「相性はよくない」と認めるが、2月の新人戦兵庫県決勝の神戸科学技術戦では途中出場からハットトリックを達成してチームを逆転Vへ導いているだけに再現を狙う。「最後取りたい。しっかり決めたい」。1点取れば現得点王の加藤に並ぶ樋口。「これまで取っておいた」決勝のゴールで自身の得点王と、チームの日本一の2冠を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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