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吉田が起死回生の同点弾、ザックジャパンは初黒星免れドロー発進

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[1.9 アジア杯B組 日本1-1ヨルダン カタールスポーツクラブ]

 ザックジャパンがからくも引き分けに持ち込んだ。日本代表は9日、アジア杯グループリーグ初戦でヨルダン代表と対戦。前半45分に先制点を許す苦しい展開となったが、敗色濃厚の後半ロスタイムにDF吉田麻也が起死回生の同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。日本は13日の第2戦でシリアと対戦する。

 日本は昨年10月の韓国戦、アルゼンチン戦に続いて4-2-3-1のシステムを採用。CBはDF吉田麻也、DF今野泰幸のコンビで、2列目に右からMF松井大輔、MF本田圭佑、MF香川真司が入り、1トップはFW前田遼一が務めた。
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 立ち上がりから中盤を支配し、ヨルダンを押し込む日本だが、ラストパスがかみ合わず、攻めあぐねる時間が続いた。前半7分、本田圭の横パスを受けた前田が左足でミドルシュートを狙うもゴール右へ。同14分にはゴール正面やや左の位置で獲得したFKのチャンスにMF遠藤保仁が直接狙うと、壁に当たって跳ね返ったボールを再び遠藤が拾い、ゴール前に浮き球のパス。香川がシュート体勢に入ったが、右足ボレーは当たり損ねとなり、DFにクリアされた。

 前半25分にも再びセットプレーからチャンスをつくり、遠藤の左CKのセカンドボールをMF長谷部誠がPA外から右足ダイレクトボレー。GKが前にこぼしたところに吉田が詰め、左足で押し込んだが、オフサイドの判定だった。

 なかなか連動した攻撃を見せられない日本に対し、ヨルダンの守備陣も体を張って対応。逆に前半29分にはロングボールからFWデイブとMFハサンの2人だけでフィニッシュまで持ち込み、最後はハサンが左足でシュート。これはGKの正面に飛び、同38分には右CKからファーサイドでフリーのDFバセムがヘディングシュートを狙ったが、ゴール左に外れた。

 相手のシュートミスに救われた日本は前半40分、決定機を迎える。右サイドを駆け上がったDF内田篤人がゴール前にグラウンダーのパスを入れると、前田がスルーし、後方から走り込んできた香川がドリブルでボールを前に運び、右足でシュート。1対1の絶好機だったが、GKの好セーブに阻まれた。

 すると、前半終了間際の45分、ヨルダンは右サイドから仕掛けてチャンスをつくり、PA手前でパスを受けたハサンがドリブルで遠藤をかわし、左足でミドルシュート。これが吉田の左足に当たってコースが変わり、ゴールネットに吸い込まれた。

 まさかの先制点を許した日本はこれがザックジャパン3試合目で初失点。前半を0-1で折り返すと、後半開始から前田に代えて国際Aマッチ初出場となるFW李忠成を投入する。

 しかし、後半最初にチャンスを迎えたのもヨルダンだった。後半4分、MFアメルの右クロスからFWオダイが内田と競り合いながらヘディングシュート。同5分にもデイブが左足ミドルを狙ったが、いずれもゴールの枠を外れた。

 リズムをつかめない日本は後半13分、早くも2枚目のカードを切る。MF松井大輔に代わってFW岡崎慎司がピッチへ。岡崎は2列目の左サイドに入り、香川がトップ下、本田圭が右サイドに移った。

 徐々に攻撃の圧力を強める日本は後半16分、本田圭から縦パスを受けた香川がドリブルで仕掛け、右足でミドルシュートを狙うも、威力なくGKにキャッチされる。同18分には岡崎が左サイドを縦に仕掛け、ゴール前に折り返すと、走り込んだ長谷部が倒れ込みながら右足ボレーを放つが、わずかにゴール右へ外れた。

 後半24分にも遠藤の縦パスをPA内で受けた岡崎が鋭く前を向いて右足を振り抜くも、シュートはゴール左へ。同34分には本田圭が右足でシュートを狙うなどゴール前でチャンスはつくるものの、フィニッシュを決め切れずに0-1のまま時間だけが過ぎていった。

 10人で守りを固め、1点を死守するヨルダンは露骨な時間稼ぎも見せ、時計の針を進めていく。日本は後半45分に本田圭に代えてMF藤本淳吾を投入。最後のカードを切って、1点を追う。

 ロスタイムは4分。このまま敗戦かと思われた後半47分、左CKから香川が素早いショートコーナーで長谷部につなぐと、長谷部の左クロスに逆サイドから走り込んだ吉田が打点の高いヘディングシュートを叩き込んだ。吉田の国際Aマッチ初得点が起死回生の同点弾。ザックジャパンがかろうじて敗戦を免れ、初戦で勝ち点1を獲得した。

[写真]起死回生の同点弾を決めた吉田(右)。この勝ち点1を次に必ずつなげたい

(取材・文 西山紘平)

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