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微妙な判定で川島退場&PK献上も、10人のザックジャパンが競り勝つ

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[1.13 アジア杯B組 日本2-1シリア カタールSC]

 日本代表は13日、グループリーグ第2戦でシリア代表と対戦。前半35分、MF長谷部誠(ボルフスブルク)のゴールで先制すると、微妙な判定でPKを与え、後半31分に追い付かれたが、後半37分にMF本田圭佑(CSKAモスクワ)のPKで勝ち越し、2-1で競り勝った。日本は17日の最終戦で、2連敗で敗退の決まったサウジアラビアと対戦。引き分け以上でグループリーグ突破が決まる。

 日本は9日のヨルダン戦(1-1)と同じ先発メンバーで臨んだ。システムは4-2-3-1。2列目は右から松井大輔、本田圭佑、香川真司で、1トップは前田遼一だった。
 シリアはサウジアラビア戦(2-1)の4-2-3-1からアンカーを置いた4-3-2-1にシステムを変更した。
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 初戦でサウジアラビアを下し、勢いに乗るシリアは出足の早い寄せで日本にプレッシャーをかけ、球際でも激しく競ってきた。日本は前半11分、DF内田篤人の右クロスにファーサイドからフリーで走り込んだ前田がヘディングシュート。決定的な場面だったが、シュートはゴールのわずか左に外れた。

 その後は中盤でのせめぎ合いが続き、互いになかなか決定機をつくれない。日本はボール支配率を高めるが、シリアの守備組織も崩し切れない。それでも攻撃の連動性はヨルダン戦より高まり、徐々に押し込んでいった。

 日本に待望の先制点が生まれたのは前半35分。内田の自陣からのフィードに本田圭が抜け出すと、PA内右サイドを縦に突破し、マイナスに折り返す。逆サイドから猛然と走り込んだ香川はドリブルでゴール前に仕掛け、切り返しから左足でシュートを狙うも、前に出てきたGKがセーブ。それでもこぼれ球に反応した松井がワンタッチで落としたところにMF長谷部誠が走り込み、右足でゴールに流し込んだ。

 長谷部の09年11月18日の香港戦(4-0)以来、約1年2ヵ月ぶりとなる国際Aマッチ2得点目でリードを奪った日本はこれで勢い付き、前半41分には長谷部の縦パスを受けた前田がドリブルで1人かわして右足でミドルシュート。同43分にもMF遠藤保仁の右CKに頭で合わせたが、いずれも枠を捉えられなかった。

 日本の1点リードで折り返した後半開始からシリアはFWアル・カティブを投入し、システムを4-4-2に変更して反撃を狙う。日本は立ち上がりの4分、遠藤の素早いリスタートを受けた香川が絶妙なスルーパス。前田がPA内に走り込むが、カバーに入ったDFのスライディングタックルに遭い、シュートを打ち切れなかった。

 後半10分には前田とのワンツーから香川がスルーパスを通し、DF長友佑都がPA内まで進入するが、クロスは上げられない。同12分、内田のスルーパスから右サイドを抜け出した長谷部の折り返しに走り込んだ前田もシュートは合わせ切れなかった。

 なかなか2点目を取れない日本は後半20分、香川に代えてFW岡崎慎司を投入。岡崎はそのまま2列目の左サイドに入った。

 そして後半27分、まさかの事態が日本を襲う。長谷部のバックパスが味方と呼吸が合わず、シリアの選手が猛然とGK川島永嗣にプレッシャーをかけると、川島のクリアは弱くなり、セカンドボールが再びゴール前へ。すると、ゴール前に残っていたFWマルキを川島が後方から倒してしまい、主審の笛が鳴った。副審はマルキがオフサイドポジションにいたとして旗を上げたが、主審はオフサイドを取らない。日本の選手、ベンチからもスタッフや控え選手が飛び出し、猛抗議するが、主審の判断は変わらず、川島にレッドカード、そしてシリアにPKが与えられた。

 日本は急きょ前田に代えてGK西川周作を投入する。いきなりのPKの場面。これをアル・カティブに決められ、後半31分、1-1の同点に追い付かれた。10人になった日本は本田圭を1トップに置き、岡崎が右サイド、松井が左サイドに入る4-2-2-1に変更。後半34分には遠藤の縦パスを受けた本田圭が岡崎とのワンツーから右足を振り抜いたが、GKの好セーブに阻まれた。

 数的不利ながら勝ち越しゴールを狙って攻勢を強める日本は後半36分、遠藤のロングフィードを受けた岡崎がPA内で倒され、PKを獲得。これを本田圭が落ち着いてゴール中央に流し込み、2-1と再びリードを奪った。

 ロスタイムは6分。日本は後半47分に松井に代えてMF細貝萌をピッチに送り込み、逃げ切り態勢に入る。最後のシリアの反撃もきっちりと跳ね返し、2-1。アクシデントを跳ね返しての勝ち点3にザッケローニ監督も右こぶしを握り締めるガッツポーズを見せ、日本がグループリーグ突破に大きく前進した。

(取材・文 西山紘平)

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