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左右の配置転換で活気を取り戻した遠藤&長谷部

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 ダブルボランチとしてチームの中核を担う遠藤保仁(G大阪)と長谷部誠(ボルフスブルク)が、左右のポジションを入れ替えるようアルベルト・ザッケローニ監督から指示を受けていたことが分かった。

 「今日は右と左を替えてやろう」

 シリア戦前のミーティングでザッケローニ監督が言った。岡田ジャパン時代からダブルボランチを組む遠藤と長谷部だが、岡田政権下では遠藤が左で長谷部が右。サイドバックとの連係も絶妙で、遠藤は左サイドの長友、長谷部は右サイドの内田と阿吽の呼吸で連係できるほどの成熟度を見せていた。

 ところがザッケローニ監督が就任してからは左に長谷部、右に遠藤という並びに変更された。10月のアルゼンチン戦、韓国戦で実戦を重ねたが、コンビネーションはまだまだ手探り状態。アジア杯初戦のヨルダン戦では中盤の効果的な攻め上がりが鳴りをひそめ、攻撃のリズムが生まれなかった。

 指揮官のアイデアで左右を入れ替えて臨んだシリア戦では、結果的にサイドへの展開からチャンスが生まれ、最後は中盤の底から飛び出した長谷部の先制点につながった。長谷部は「内田、(本田)圭佑、(香川)真司、松井と大勢でつないで入った、チームの得点」と胸を張った。

 遠藤も「やはり、このやり方は慣れている。僕は右利きなので、左からの方が攻めやすいというのもある」と、収まりの良い左側のポジションを与えられて手ごたえを感じているようだ。

 中盤の底からスムーズにパスをさばけるようになれば、前線もより活性化されるはずだ。経験豊富な遠藤と長谷部が“定位置回帰”で、ザックジャパンをけん引する。

[写真]主将としてチームを引っ張るMF長谷部誠

(取材・文 矢内由美子)

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