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「ボールは全部僕のところに来いと思っていた」、途中出場の岩政が流れ断ち切る

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[1.29 アジア杯決勝 日本1-0(延長)オーストラリア カリファ]

 悪い流れを断ち切った。後半11分に投入されたDF岩政大樹(鹿島)がオーストラリアの猛攻を食い止め、日本のリズムを生んだ。

 「思ったより(出番は)早かったけど、前半、ハーフタイムから(アップのペースを)上げろと言われていた。周りの選手は疲れていたし、ボールは全部僕のところに来いと思っていた」

 立ち上がりからFWケーヒル、MFキューウェルの2トップに苦しめられた。単純なロングボールやクロスに対し、DF吉田麻也、DF今野泰幸がなかなか競り勝てず、セカンドボールも拾われる。オーストラリアに押し込められ、いつ失点してもおかしくない展開だった。これを岩政が跳ね返した。

 「前半からクロスに対してシュートを打たれていたし、体を当てても弾き飛ばされていた。それに対抗することを期待されているのは分かっていた」

 空中戦に強さを発揮するケーヒルに厳しく体を寄せて自由にさせず、競り勝つシーンもあった。徐々に苛立ちを募らせたケーヒルは結局、延長後半5分に交代。岩政の“完勝”だった。

 「クロスが来ても体を付けて、いいシュートを打たせないようにした。それが(交代の)狙いだし、でないと自分が入らない。普通はDFラインをいじることなんてないから。自分のストロングポイントを出そうと思っていた」

 準決勝・韓国戦では、出場停止の吉田に代わって今大会初先発を果たした。しかし、急造守備陣は呼吸が合わずにピンチを招き、結果、2失点。「あれを生かさなかったらバカでしかない」。中3日で迎えた大一番。きっちりと修正し、完封勝利に貢献した。

 後半18分から出場したグループリーグ最終戦のサウジアラビア戦(5-0)に続き、途中出場では2試合連続の無失点。「今大会は途中出場の方が良かった。途中出場に慣れてきたのかな」。総力戦で勝ち取った優勝。チームの確かな力となり、充実した表情の中に笑みを浮かべていた。

[写真]日本代表CB岩政

(取材・文 西山紘平)

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