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[PSM]浦和は決定力不足も新外国人に期待。柏木は「まだまだよくなる感じはある」

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[2.20 さいたまシティカップ 大宮3-0浦和 NACK]

 浦和レッズは圧倒的に攻め込みながら0-3の敗戦。因縁のライバルを前に、13日の鳥栖戦に続きプレシーズンマッチ2連敗となった。昨年までと同様、ゴール前での決定力不足に泣いた。MF柏木陽介は「チャンスは作れていたけど、なかなか決め切れなかった。去年もそうだけど、ゴールをしっかり決め切れないと、こういう結果になってしまう」と嘆いた。

 ただ、ゴールまでの“道筋”には昨年とは違う変化があった。中盤でボールを回しすぎるところがあったが、この日の前半は奪ってからのショートカウンターが何度か見られた。昨年のように中盤を作ることを優先するのではなく、勝つためにシンプルに縦に素早く攻めるのも、新監督の求めていること。これが増えてくれば、得点力アップが期待できる。

 ペトロヴィッチ監督は「内容には満足だ。いいコンビネーションや攻撃を何回も見られた。特に前半は全てにおいて素晴らしかった。自分たちが前半で5、6点取っていれば試合は終わっていた」と手応えを口にした。柏木も「みんなが周りの動きを見て、しっかり動けば相手はついてこれないと思う」と話した。

 たしかに、課題はフィニッシュだけといえる。とはいえ、それは昨年のチームの課題でもあった。サポーターとしては“大丈夫?”と心配になるところだが、指揮官は「今はまだ準備段階だけど、これからたくさんゴールを取る能力は選手にある」。柏木も「しっかりコミュニケーションが取れれば。まだまだよくなる感じはあるので、しっかりやっていきたい。本番が始まったときに、チームとして爆発的な力が出せればいい」と改善できることを口にした。

 そのキーマンの一人が、新外国人選手のFWマゾーラかもしれない。この日は後半途中からの出場だったが、異次元ともいえる速さを見せた。後半26分には快足を生かして左サイドを突破。相手を3、4人を交わして中へパスを通すシーンもあった。もちろん、一人でドリブルで打開する力も見せた。このスピード、突破力を生かせば得点力アップが期待できる。

 マゾーラは“浦和デビュー”に「ピッチに入った瞬間、ドキドキしたし、いい経験だった」という。そして「ブラジルではコンタクトが厳しいけど、こっちはコンビネーションで速いサッカーをやっている」と日本のサッカーを会得しつつある様子。“新怪物”が先発で出られるようにフィットしてくれば……。そう期待させるシーンが何度もあった。

[写真]新外国人のマゾーラ

(取材・文 近藤安弘)

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