beacon

J連覇へ好発進!名古屋が楢崎の好セーブで鹿島をPK戦で下し15年ぶりの覇者に!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.26 富士ゼロックススーパーカップ 名古屋1-1(PK3-1)鹿島 日産ス]

 J王者の名古屋がまず1冠! 2011シーズンの幕開けを告げる富士ゼロックススーパーカップが26日に日産スタジアムで行われ、Jリーグ王者の名古屋グランパスと天皇杯覇者の鹿島アントラーズが激突した。DF増川隆洋のヘディング弾で名古屋が先制。鹿島がMF野沢拓也の直接FKで同点とし1-1でPK戦に突入した。そこで元日本代表GK楢崎正剛が3本セーブの大活躍。1996年以来15年ぶり2度目のスーパーカップ制覇を成し遂げた。鹿島は3連覇を逃した。

 名古屋は4-3-3を採用。GKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。中盤はアンカーに中村直志、2列目右に小川佳純、同左に清水から新加入した日本代表MF藤本淳吾が入った。3トップは右から金崎夢生、ケネディ、玉田圭司が構えた。

 対する鹿島は伝統の4-4-2を採用。GKは曽ヶ端準、DFラインは右から新井場徹、岩政大樹、伊野波雅彦、千葉から新加入のアレックス。ダブルボランチは青木剛と小笠原満男、右MFに野沢拓也、左MFにフェリペ・ガブリエルが入った。2トップは大迫勇也と興梠慎三が組んだ。なお、清水から新加入の日本代表MF本田拓也はベンチを外れた。

 ピッチを広く使う名古屋に対し、堅守からのカウンターを狙った鹿島。序盤は名古屋がボールをつなぎ、ややリズムをつかんだ。前半6分、攻め上がった闘莉王がPA内に走り込んだ金崎にループパス。これが通り、金崎は縦に仕掛けてクロスを入れたが、惜しくも相手にブロックされた。同13分には鹿島FW興梠のシュートをブロックした際、こぼれ球が運よく右サイドに開いていた玉田へピタリ。玉田は快足を生かしてカウンターを仕掛けPA内に進入するが、シュートまでいけなかった。

 鹿島は興梠と大迫の新2トップを使って攻めようとしたが、なかなかうまくボールが収まらなかった。それでも、2人が積極的にシュートを放ったことで徐々に流れを奪い返した。前半12分、小笠原の横パスから興梠が右足ミドル。同13分にはPA右外から大迫が強烈な右足ミドル。これは楢崎の正面を突いたが、この辺りを境に鹿島もボールを回せるようになった。

 名古屋は変わらず玉田、金崎の両サイドをワイドに使って攻めようとした。前半19分には玉田が得意の左足でミドルシュート。このこぼれ球を名古屋が拾ってつなぎ、左クロスからケネディがヘディングシュート。しかし、これはジャストミートせずに右に外れた。その後、ともにカウンターを仕掛ける展開となる。

 前半26分、鹿島はガブリエルの仕掛けから中の青木へ。青木の左足シュートは興梠をかすめてオフサイドとなったが、らしさが発揮された。同29分には左サイドをガブリエルが持ち込み、PA左の大迫へ。大迫はドリブルでシュートコースをうかがい右足一閃。強烈な一発はGK楢崎の右手を弾き、クロスバーを直撃。良いシュートだったが、先制点は奪えなかった。その後、一進一退の状況が続き、前半は0-0のままで折り返した。

 後半、立ち上がりは鹿島がリズムをつかんだ。同4分、PA内右でアレックスのパスを受けた野沢が突進し右足シュート。同6分には右CKのチャンスに、野沢のクロスから興梠がダイビングヘッドを繰り出した。いずれもわずかに外れたが、鹿島が持ち味を発揮し始めた。しかし、ワンプレーで名古屋が主導権を奪い返した。

 後半9分、右サイドで得たFKのチャンスで先制に成功した。藤本淳吾の入れたボールに、ファーサイドから走り込んだ長身の増川隆洋が頭を合わせてゴールを奪った。得意のパワープレーで名古屋が“2011年公式戦初ゴール”を記録した。

 追う展開となった鹿島は後半13分、新井場の右クロスを興梠が落とし、最後は大迫がボレーシュート。しかし、これは上に浮かしてしまった。このままずるずる時間が進めば、鹿島にとって苦しい展開になったところだが、名手が得意の一撃で1-1と試合を振り出しに戻した。

 後半21分、PA右でFKの好機に野沢拓也がキッカーを務めた。ゆっくりとボールをセットすると、得意の右足を振り抜いてゴール右隅に突き刺した。野沢は1日の天皇杯決勝・清水戦でも2-1とする直接FKを決めて勝利に導いているが、公式戦2戦連続FK弾となった。

 最初に選手交代で動いたのは名古屋。後半26分、金崎に代えてMF吉村圭司を投入。小川を右FWに入れ、吉村は中盤に据えた。対する鹿島も同29分、小笠原に代えてDF中田浩二を投入し、ボランチに置いた。さらに名古屋は後半34分、中村に代えてMF三都主アレサンドロを投入。鹿島は同36分、大迫に代えて新外国人FWのカルロンを送り出した。

 1-1のまま時間は進み、後半の中盤から鹿島が主導権を握った。後半40分、ガブリエルのパスをPA左で受けた野沢がドリブルから右足シュート。うまく右中隅を突いたが、これはGK楢崎のファインセーブに阻まれた。押されていた名古屋は後半43分、玉田に代えてMF花井聖を投入。対する鹿島は同44分、フェリペ・ガブリエルに代えて“切り札”本山雅志を送り出した。

 ロスタイムは3分。名古屋はCKのこぼれ球からケネディがドリブルでカウンターを仕掛けたが、PAに行く前にアレックスに止められた。ラスト、名古屋は三都主からのパスを左サイドで受けた藤本が左クロスを入れるが、これは少し大きくファーへ流れた。直後に終了の笛がなり、試合は1-1のまま大会規定によりPK戦に突入した。

 名古屋が先行のPK戦。1本目、名古屋はケネディがGK曽ヶ端に、岩政がGK楢崎にともにセーブされるスタートとなった。ともに2人目は藤本、本山がしっかりと決めたが、ここから名古屋の楢崎が好セーブを連発する。3人目のアレックスのキックを読んでキャッチすると、4人目の新井場のキックもセーブ。結果、3-1で名古屋が勝利をゲット。表彰式では、1996年大会以来15年ぶりにスーパーカップを掲げた。

(取材・文 近藤安弘)

TOP