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関東選抜Bはデンチャレへ向け「こっそり優勝をめざします」

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[2.26 関東大学サッカーオープニングフェスティバル 関東選抜A1-1関東選抜B 赤羽] 

 1、2年生主体の関東選抜Bだが、その戦いぶりは対戦した関東選抜AのMF田中恵太(明治大3年=三菱養和SCユース)に「相手がいい見本だった」と言わしめるほどだった。MF上村岬(筑波大1年=磐田ユース)やMF天野純(順天堂大1年=横浜FMユース)を起点にパスをつなぐと、前線へボールを配給。激しいプレッシャーにも臆することなく、丁寧にボールをつないでいった。ゴール前での精度を欠き、得点には至らなかったが、1トップを務めたFW松本大輝(法政大1年=大津高)へくさびを入れて、全員が連動して動くなど、チームコンセプトの浸透も見て取れた。

 ここまでのトレーニングの成果がようやく実った。24日の流通経済大との練習試合では、球離れが遅くなり、つぶされる場面が多かった。だからこそ「簡単なプレーをしようと心がけていったら、通用しました」と天野は笑顔で話した。

 愚直なまでにつなぐことへ徹したプレーを同選抜の青葉幸洋監督(順天堂大)は「つなぎたい気持ちはわかるけど中盤で失くす場面もあった。つなぐか飛ばすかの判断をしてほしい」と課題に挙げたが、その反面「つないで主導権を取れれば、戦えるチームだということを見せてくれた」と選手たちを称えた。

 チームの正式な立ち上げとなったソニー仙台戦から攻撃の核としてプレーしてきた上村が負傷交代したことが心配されるが、代わって出場を果たしたMF山崎直之(東京学芸大1年=F東京U-18)が十分な働きをみせたことも好材料。前半41分から試合に入るのは、難しかったようだが「1、2本チャンスをつくれて良かった。選抜Aのプレッシャーの中でも、中盤はパスを回すことはできた」と手応えを語った。本来の能力から言えば、守備に時間を割かれた場面が多く、攻撃面で弱冠の物足りなさも感じられるプレーだった。だからこそ指揮官からは「オフザボールの動きをもっとしっかりやるように」と求められている。期待のMFは「やるからには優勝したい」と本大会へ向けて、やる気は十分だ。

 また、守ってはDF今井純(筑波大2年=磐田東高)とDF笠松亮太(慶應義塾大3年=東京Vユース)の両CBが先発フル出場で相手を最小失点に抑え、しっかりと仕事を果たした。後半は押し込まれる場面が続いたが、ゴール前で体を張っては得点を許さなかった。なかでも、下級生主体のチームの中で慶應義塾大で新シーズンの主将を務める笠松の存在は大きなものとなっている。

「こっそり優勝を狙います」と青葉監督は話した。各地域選抜が全日本大学選抜や関東大学選抜Aを注視するなかで、1、2年生主体の関東大学選抜Bが地道にチームとしての成長を遂げて、頂点の座を狙っていく。

[写真]FKを狙う天野(左)と上村

(取材・文 片岡涼)

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