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名古屋は攻撃陣不発でまさかの黒星発進

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[3.1 ACL GL第1節 杭州緑城2-0名古屋 浙江黄龍]

 まさかの黒星発進……。AFCチャンピオンズリーグ2011が1日に開幕し、10年Jリーグ覇者の名古屋グランパスは、敵地で10年Cリーグ4位の杭州緑城(中国)と対戦した。悲願のアジア制覇へ幸先良いスタートを切りたいところだったが、0-2の完敗を喫した。

 名古屋の先発は先月26日に行われた富士ゼロックススーパーカップからアンカーが中村直志から吉村圭司に変更。その他は同じメンバーを採用した。システムも同じ4-3-3でGKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。中盤はアンカーに吉村圭司、2列目右に小川佳純、左にMF藤本淳吾が入った。3トップは右から金崎夢生、ケネディ、そして富士ゼロックススーパーカップで右太ももを打撲して負傷退場し、今試合の欠場が取りざたされていた玉田圭司が強行先発した。

 前半8分、名古屋の藤本が左サイドから攻め込みファーストシュートを放ったが、ポスト左へ外れた。その後は相手のプレスに苦しみ攻撃陣が沈黙。反対に杭州緑城がFWラミレスやMFバスケスを中心に、名古屋ゴールへ襲い掛かった。

 まずは前半10分、PA内で左クロスを受けたラミレスが胸トラップから左足でシュートを放つ。これは楢崎がなんとか左手でかき出した。同22分には、MF汪嵩の右クロスにあわせたバスケスがヘディングシュートを放ったが、楢崎が正面でキャッチした。直後の同24分にもラミレスのマイナスの右クロスからバスケスがミドルシュート。これも守護神がセーブした。

 名古屋は押し込まれる時間が続いたが、少ない好機を生かして反撃に転じた。同33分に相手陣内でボールを奪った玉田がドリブル突破からミドルシュート。しかし、これはDFに阻まれた。名古屋は何とか相手の攻撃をしのぎ、前半はスコアレスで折り返した。

 後半に入っても流れは変わらず、名古屋は1点が遠い。後半8分には藤本の右クロスをファーサイドのケネディが折り返し、増川が頭で押し込んだがクロスバー上方へ外れた。ゴールを奪えないまま時間は過ぎていった。
 
 すると後半15分、痛い失点を食らった。左サイドを押し込まれると、FW巴力に斜めのグランダークロスをDFラインの裏に通され、ホンジュラス代表FWラミレスに左足ダイレクトでゴールネット揺らされた。

 敵地とはいえ負けられない名古屋は同20分、小川と金崎に代えて中村直志と期待の大卒ルーキーFW永井謙佑を投入した。永井の快足が起爆剤にと期待されたが、流れを変えることはできない。同29分には玉田の右クロスに永井が頭で合わせたが、GKに止められた。

 名古屋は後半41分、玉田に代えてDF千代反田充を投入。CBに入れ、闘莉王を前線へと上げて得意のパワープレーで同点を狙った。しかし、反対に痛恨の2点目を奪われてしまった。同41分、巴力に左サイドをドリブル駆け上がられ、PA外か右足シュートを打たれる。ボールはGK楢崎の頭上を越えてゴール右隅(杭州緑城にとって左)へ吸い込まれた。

 3分間のロスタイムにも、名古屋はあきらめずにゴールを目指したが、相手に粘り強く跳ね返されてしまった。無情にも試合はそのまま0-2で終了。“緑の軍団”が喜びを爆発させる中、初戦黒星となった名古屋イレブンは悲痛な表情を浮かべてた。

(文 片岡涼)

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