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鹿島、アウェーで勝ち点1獲得も不安解消できず

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[3.2 ACL GL第1節 上海申花0-0鹿島 上海]

 5度目の挑戦となったAFCチャンピオンズリーグ。鹿島アントラーズの初戦はスコアレスドローという結果に終わった。 

 試合の主導権を握っていたのは間違いなく鹿島だった。正確な1タッチ、2タッチで回されるパスワークの前に上海ディフェンス陣は対応が遅れ、ファウルを連発。ただ、逆にこれでリズムを崩したか攻撃のスピードが上がらず、また鹿島の攻撃力を警戒してかなかなか前に出てこない相手ディフェンスの背後を取ることができない。

 2月26日の富士ゼロックススーパーカップで膝を負傷したMF小笠原満男、MF本山雅志と攻撃のテンポを変えられる選手の不在も響いた。ボールを支配しながら行き詰まり、攻めあぐると、最後まで上海の守備を切り崩すことができず。鹿島公式サイトによると、MF青木剛は「今日は良いリズムを作れなかった。相手のファールは多かったが、そこからチャンスにつなげたかった」と悔しがり、前線で奮闘したFW田代有三も「もっとサイドで仕掛けてボールを上げても良かったが、中の人数が足りなかった。外に張り過ぎだと思う」とやや単調だった攻撃を反省していた。

 同じく主導権を握りながら1-1からのPK戦の末に敗れたゼロックススーパーカップ後にオズワルド・オリヴェイラ監督は「昨年、主導権を握っているのに負けたり引き分けたりした部分が少し出ている。変えないといけない。もしくは心配しなければならない」と話していたが、この試合ではその不安を解消することができなかった。

 定まっていないFW興梠慎三のパートナーが確定すれば、状況は変わるかもしれない。20日のプレシーズンマッチ・水戸戦では2トップの一角として先発した新加入FWカルロンが先制ゴールを決めたものの、周囲との連係に不安を覗かせ、ゼロックススーパーカップで先発したFW大迫勇也は個人で打開してクロスバー直撃のシュートを放つ場面もあったが試合を決めるには至らなかった。そしてこの日の田代も持ち味は発揮していたが決め手に欠けてしまった。

 豊富な運動量で相手を苦しめたFWマルキーニョス(現仙台)の役割を全員が運動量を上げることで埋めようとしている鹿島だが、同時にマルキーニョスの不在を感じさせない活躍を見せるFWの台頭も必要。悲願のACL制覇へ向けて期待したい。

(文 吉田太郎)

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