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イ・グノのゴールで一時同点も…G大阪は敵地で敗戦

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[3.15 ACL第2節 天津泰達2-1G大阪 天津]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は15日、グループリーグ第2節を行い、E組のガンバ大阪はアウェーで天津泰達(中国)と対戦し、1-2で敗れた。前半25分に先制されると、同31分にFWイ・グノのゴールで追い付いたが、後半8分にPKで決勝点を許した。なお、この日開催予定だった名古屋対アルアイン(瑞穂陸)は11日に起きた東北地方太平洋沖地震の影響で延期されている。

 3月中のJリーグ、ナビスコ杯の開催が中止される中、日本の“代表”として敵地に乗り込んだG大阪。試合前には両チームの選手がセンターサークルの周囲で黙とうし、G大阪の選手の左腕には喪章が巻かれていた。前日会見では西野朗監督が「わずかながらでもガンバが一生懸命やっている懸命さを日本の皆さんに伝えられれば」とコメント。被災地へ希望を届けようと気迫のプレーを見せたが、勝利に結び付けることはできなかった。

 G大阪は1日のACLメルボルン・ビクトリー戦(5-1)、5日のJリーグC大阪戦(2-1)と同じ先発メンバーで臨んだ。CBはDF山口智と大卒ルーキーのDF金正也のコンビ。前線はFWイ・グノと今季C大阪から加入し公式戦2戦連発中のFWアドリアーノが2トップを組んだ。
 天津は4-2-3-1のシステムで、1トップには長身のFWルシアーノ・オルギンが位置した。
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 立ち上がりからホームの後押しを受ける天津の勢いに押され、劣勢の展開となった。長身選手の多い天津は高さを前面に押し出し、G大阪を押し込む。前半23分にはハーフウェーライン付近からの長いFKをDFマルコ・ゾリッチが頭で落とし、オルギンが押し込んでゴールネットを揺らしたが、オルギンの位置がオフサイドだった。

 救われた格好となったG大阪だったが、前半25分、オルギンとのワンツーでフリーになったMF陳涛に豪快なミドルシュートを叩き込まれ、先制点を許してしまう。なかなかいい形で攻撃を組み立てられず、チャンスらしいチャンスをつくれずにいたが、前半31分、2トップのコンビネーションで同点に追い付いた。

 PA外からミドルシュートを狙ったアドリアーノはDFに当たったこぼれ球を自ら拾い、DFに囲まれながらボールキープ。すかさず最終ラインの背後に絶妙なスルーパスを通すと、これに抜け出したイ・グノがワンタッチで右足を振り抜き、GKの手を弾いてゴールネットを揺らした。

 前半38分には中央をドリブルで駆け上がった宇佐美がDF2人をかわしてアドリアーノへスルーパス。パスを受けたアドリアーノはPA内に切れ込み、左足で狙ったが、惜しくもGKの好セーブに阻まれた。

 徐々に流れをつかみつつあったG大阪を前半終了間際にアクシデントが襲う。CBの山口がボールをクリアした際に相手選手と交錯し、右ひざを負傷。今季公式戦初出場となるDF高木和道との交代を余儀なくされた。

 1-1で折り返した後半立ち上がりも天津が勝ち越しゴールを目指して攻勢を強め、後半7分、PA内で高木が陳涛を倒してPKを与えてしまう。これをDF曹陽に決められ、1-2と再び勝ち越しを許した。

 何とか同点に追い付きたいG大阪だが、守備を固める天津を攻めあぐねる。ラストパスがかみ合わず、なかなかフィニッシュまで持ち込ずにいると、後半27分、MF武井択也と宇佐美に代えてMF佐々木勇人、MFキム・スンヨンを投入。佐々木は中盤の右サイド、キム・スンヨンは左サイドに入り、MF二川孝広がボランチに下がった。

 交代枠3枚を使い切り、最後の反撃を仕掛ける。しかし、後半29分の佐々木のミドルシュートはゴール上に浮き、同38分、キム・スンヨンの左クロスに合わせたイ・グノのヘディングシュートも枠を捉えられなかった。

 後半43分にはMF遠藤保仁の左CKからニアに飛び込んだキム・スンヨンが頭で合わせるが、GKが好セーブ。こぼれ球を拾った佐々木のシュートも再びGKに阻まれ、ゴールを奪えない。結局、試合はそのまま1-2で終了。アウェーで勝ち点を手にすることはできず、天津がグループリーグ2連勝でE組首位に立った。

[写真]FWイ・グノのゴールで一時は同点に追いついたが…

(文 西山紘平)

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